2012年04月25日

香山リカのココロの万華鏡:まだまだ女性は…

香山リカのココロの万華鏡:まだまだ女性は…
毎日新聞 2012年04月24日 東京地方版

「女の時代」と言われて長いが、本当にそうなのだろうか。そんなことを最近、改めて考えている。


 大学で新4年生の就職活動が正念場を迎えていることも関係している。
教員から見て「優秀だな」と思う女子学生も、なかなか良い結果を出すことができない。
もちろん、この時代、男子学生にとっても就職活動はたいへんなのだが、「大手はむずかしそうだから、中小企業やベンチャー企業にも目を向けます」から、「やっぱり正社員は無理だったので、派遣社員としてがんばります」と元気だった女子学生がだんだん沈んだ顔になっていくのを見るのはつらい。


 そして、せっかく希望の職場に入社できても、3年後、5年後に卒業生の女性から「退職することにしました」という連絡を受け取ることも多い。

同期で入社して同じ仕事をしているのに、海外勤務とか重要な仕事とか、男性が優先なんですよ。
女が働くのって、思ったよりずっとたいへんですね」と、彼女たちは“目に見えない女性差別”の壁にぶつかり、疲れ果てて会社を去る決意をする。

かくして、はつらつとした女性も大勢、入社したはずなのに、はっと気づいたときにはどの職場でも「役員は全員、男性」「部長級は女性がひとりだけ」といった“おなじみの光景”が広がっている、ということになる。


 「そんなの、ただの思い込みだよ」という人もいるかもしれないが、国際的な指標もそれを裏付けている。
11年の世界経済フォーラムで発表された「男女平等指数」では、日本はなんと135カ国中、98位だった。

上位には北欧などヨーロッパの国が並ぶが、米国は16位、中国は61位というのを見ても、日本の女性が“不平等”の状態にあることは明らかだ。

日本の場合、政治や経済の場で「意思決定に携わる女性リーダーは約9%しかいない」ということが、大きく順位を下げる要因になっているそうだ。


 「女性の力」のすごさを認めない人は、いまどき誰もいないだろう。

しかし、日本はそれをうまく活用することができていないのだ。これは、政治や経済だけではなく、地域でも家庭でも同じこと。
「どうせわかってもらえないから、やめておこう」と力を発揮するのをやめて引き下がる女性が大勢いるのは、本当にもったいない話だ。

「女ってさ、こんなものだろう」「なんだかんだ言っても、女の幸せはね」と、女性のことをすべてわかったように話す男性には、まずこう言いたい。

「あなたは、妻や娘の気持ちに本当に向かい合ったことはありますか?」

posted by 小だぬき at 13:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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