2012年05月14日

高齢者と登山 低体温症への備え怠るな

高齢者と登山 低体温症への備え怠るな
2012.5.14 03:08 (産経新聞)[主張]

 間もなく夏山シーズンが幕を開ける。

ゴールデンウイークには、北アルプスで遭難事故が相次ぎ、計10人が命を落とした。大半が高齢者で、死因は全員が「低体温症」だった。

 登山を楽しむ中高年が増えているが、事故に遭わないためにも、低体温症に対するしっかりした備えをして出かけたい。


 低体温症は寒さで体の熱が奪われて起きる。意識が薄れて歩けなくなり、さらに体温が下がると、眠気や筋肉の硬直といった症状が出て死に至る。


 とくに体温調整能力が落ちている高齢者は、本人が気付かないうちに症状が悪化する。
寒いと感じたら早めに防寒着を身に着け、風の来ない、くぼ地に逃げ込むなどの対応を心がけてほしい。


 白馬岳で63〜78歳の男性6人のパーティー全員が死亡した遭難事故は当初、軽装で遺体が発見され、装備不足が指摘された。

しかし、後でザックからは防寒着が見つかった。メンバーの大半は医師で登山のベテランもいた。低体温症についての知識はあったはずだが、生かせなかったようだ。


 一般的に登山中は体温が上がって汗をかくため、軽装で行動することが多い。
そこを急激な強い寒気に襲われると、判断力だけでなく、防寒着を身に着ける気力や体力まで失ってしまう。

 服装は天候に合わせて臨機応変に変え、高カロリーで簡単に食べられる食料をとって体温を維持することが重要だ。
自分の体力を過信せず、余裕ある計画を立て、時には引き返す勇気も持ちたい。


 3年前の7月に北海道・大雪山系のトムラウシ山で8人が死亡した遭難事故も、死因は強い風雨による低体温症だった。

夏だからと甘く見てはならない。標高が低い山でも危険はある。


 日本生産性本部のレジャー白書によれば、日本の登山人口は1千万人を超えている。

登山人口の拡大に比例して高齢者の遭難事故も増えており、警察庁の統計では全遭難者の5割近くを60歳以上が占めている。


 登山には大きな感動がある一方、低体温症以外にも滑落や高山病、クマとの遭遇など危険が少なくない。

救助費用を賄える山岳保険に入るのは当然の備えだ。悲劇を繰り返さないよう、日頃から体力と知識を身に付けるなど危機管理を怠ってはならない

posted by 小だぬき at 07:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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