2012年7月20日 東京新聞
「ひどい出来だ。彼は、まったくやる気を見せない」。
十二歳のミルン君は通信簿に、こう記された。
少年は、のちに名作童話「くまのプーさん」を書き、世界中の子どもたちを喜ばせることになる
▼死して三十二年、今なお人々の心を歌で揺さぶり続けるジョン・レノン。
学校の先生は、ジョン少年を見捨てていたようだ。
「失敗への道を着実に歩んでいる。望みはない」
▼英国の名宰相チャーチルは、九歳の時「他の子と、トラブルばかりを起こす」「大変に能力はある。
だが、彼には意欲というものがない」と評された。
学科もひどく、親がめまいを感じずに見るのは難しい通信簿だ
▼そのチャーチルを選挙で破って、首相となり「揺りかごから墓場まで」と称される福祉国家を築いたのが、アトリー。
十三歳の時の評価は「彼は物事を考えて、自らの意見を形作る」と上々だが、「うぬぼれが強くて、他人の意見をきちんと聞こうとしない」と、手厳しい言葉も記されている(C・ハーリー編『could do better』)
▼きょう、多くの学校で終業式がある。子どもたちは通信簿を手に家に帰ってくる。きっと、ドキドキしている。怒られるんじゃないか、と泣きたい気分の子もいるだろう
▼けれど、ミルン君やチャーチル少年を思えば、何てことない。
通信簿はあまり本当の才能を記すにはに薄っぺらいのだから。
実際、通知表はともかく、しっかりとした社会人として育て上げることが親の役目なんでしょうと思っていますが
とはいっても、すこし本人がやる気を出してくれるといいんですけれどね
東大でても就職できないのもいるし、バイトから社長になった企業も出てきているし、早い段階で自分を身切る子供にはしたくないですね。勉強では暗記できなくてもポケモンカードは全部言える子もいました。
劣等感さえ持たせないようにすれば 大器晩成が信じられるかも・・・