“いじめ”と同じくらい悲惨な教師現場…仕事山積でバカ親対応
2012.07.25 zakzak
滋賀県大津市の中学2の男子生徒=当時(13)=がいじめを苦に自殺したとされる問題で、担任教師の対応に批判が集まっている。
亡くなった生徒の涙の相談を重く受け止めず、無視していたなどとも囁かれている。
ただ、こうした教師は例外的な存在で、多くの教育者は真摯に向き合おうとしているのも事実だ。
その教育現場では、いま過重労働という問題が深刻化し、「疲労が限界に達している」(現役教師)という。
教師の過酷な実態とは−。
自殺した生徒に対し、男子生徒3人が凄惨ないじめを繰り返していた大津の問題。担任はその行為を知りながら見て見ぬふりをしていたとされている。
滋賀県警では今週初めに担任から事情を聴き、今度も説明を求めていく方針だ。
一連の問題などから、文部科学省でもいじめの防止支援チームを発足させ、対策を進めるが、教師たちの顔色はすぐれない。
「大津の問題はもちろんあってはならないこと。
担任の対応も許せません。ただ、現場でできることに限界があるのも事実です」
九州地方にある公立中学校の英語教諭(35)はため息混じりにこう話す。
「通常の授業に加え、生活指導や部活動の顧問活動、試験作りと仕事は山のようにある。
いまの時期は夏期講座などの受験対策に追われて手いっぱい。
いじめのやり方も陰湿になって見極めにくくなってきていますし…。
きめの細かいいじめ対策は、やりたくてもできないというのが正直な所です」と肩を落とす。
大阪府の私立高校教諭(33)は「なかには、家庭でやるべきしつけまで学校側に丸投げし、要求ばかり突きつける親もいる。
モンスターペアレントと呼ばれるこうした保護者対策も、教師の大きな負担なんです」と本音を明かす。
昨年4月から、小中学校で学習指導要領が改訂された。
これに伴って教科の授業時間・内容も増加し、教師たちにかかる負荷は強まるばかり。
文科省によれば、うつ病などの病気で休職した小中高校の教職員は、2010年度に過去最多の8660人を数えた。
「人材の循環がうまく機能していないのが組織の歪みを大きくしている。
1年ごとに異動を繰り返す『渡り鳥』と揶揄される問題教師。
一部の優秀な教師が、その穴埋めをさせられ疲弊しきっている」(教育関係者)
いじめ問題の背景に透けて見える教育の制度疲労。解決策はあるのか。
『夜回り先生』の愛称で知られる教育評論家の水谷修氏は「ここ10年以上、教師の管理体制が強まって教師全体にゆとりがなくなった。
業務量が増え、対処すべき問題はどんどん複雑化している。
追いつめられた教員が余裕をなくし、いじめを見逃してしまう悪循環も生まれてある。
いじめは、学校、家庭、地域が一体となって取り組まなければいけない課題だと認識しなければいけない」と指摘する。
教え育むという職務を放棄し、職責からも逃げた疑いがある大津の担任。
根本的な教育改革が必要だ。
2012年07月25日
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