毎日新聞 2012年08月18日 12時37分
ウィーンの現地校に通う16歳の息子が時々、級友の家へ泊まりに出かける。
気の合う仲間が集まり、ビールやワインを片手に一晩中話し込んだり、ゲームに興じたりしているという。オーストリアでは飲酒と喫煙は16歳から合法。週末の夜を友人宅で過ごすのもごく一般的だ。
とはいえ、心配は尽きない。
「乾杯で口をつける程度。たばこを吸っている友だちはごく一部」と言う息子に、「日本に帰ったら、絶対にダメだぞ」と念を押した。
最近の調査によると、「週1回以上酒を飲んでいる」と回答したオーストリアの15歳は、ほぼ3人に1人。欧米40カ国の中で5番目の多さだ。
ところが、過去に2回以上泥酔した経験のある15歳の割合は13番目に下がる。
地元メディアは「10代若者の分別強まる」との見出しで伝えた。
国や学校による管理を重視するのか、オープンな環境で自制心を育むのか。
未成年に経験から学ばせようとする欧州のまなざしには、自己責任を問う厳しさも感じる。
【樋口直樹】