2012年10月03日

「信用できる情報源とは 

香山リカのココロの万華:信用できる情報源とは 
毎日新聞 2012年10月02日 東京地方版


 学生たちと話していて「ニュースや情報、どうやって手に入れるのがいいと思う?」ときくと、「新聞やテレビはダメですよ」とある男子学生が言った。

「大事なことも数秒、数行になっちゃうじゃないですか。
取捨選択されていることもあるみたいだし、信じられませんね。
じゃ、何ならいいの、ときくと「ネット」と答える。
すると別の女子学生が「ネットなんてもっと信じられない。デマやうわさレベルの情報も少なくないと思う」と異議を唱えた。

 それからいろいろ議論する中、「やっぱりナマの情報に触れるしかない」という声が上がり、パソコンを立ち上げ、電力会社や県知事の記者会見なども編集なしで最初から最後まで中継しているサイトを見てみた。
たしかにそこにはウソはなく、“そのまま”が映し出されている。

 しかし、それをすべて見るにはたいへんな時間と労力が必要だ。
「それに、もしほかの誰かに『あの記者会見どうだった?』ときかれて、短くまとめて伝えたらそこで正確じゃなくなっちゃうかもしれないですよね。
だとしたら、また一部始終を再現して伝えなければならない、ってことでしょう。
そんなの、不可能ですよ」とある学生が言い、笑いが広がった。。

 雑誌や新聞などを見てそこに書かれている情報をうのみにすることなく、「もしかして真実は違うんじゃないかな?」と疑う姿勢は間違いではない

しかし、何もかもを疑ってかかっても、結局は自分ですべての情報を集められるわけではないので、妥協が必要になる。学生たちとの話し合いでは、「結局、どこまで疑い、どこから信じるのかは、その人自身でポイントを決めるしかない」というところに落ち着いた。

 診察室には、そのポイントを決められず、いろいろなウワサに右往左往し、心が不安定になる人が大勢やって来る。

誰が本当のことを言っているのか、もしかすると全員がウソを言っているのではないか、と疑心暗鬼になるのは、人間の心にとっては大きなストレスだ。

 「あの人ならだいたい信じられる」「この新聞、この番組ならまあまあ真実に近い報道をするだろう」とよりどころにできるような人やマスコミがあれば、気持ちもずいぶん落ち着くはずだが、それを見つけることすらむずかしい世の中だ。
情報があふれ返っているからこそどれを信じていいのかわからない、という皮肉な事態が訪れているいま、「自分にとって信用できる情報源とは何か」とチェックし直してみるのもいいかもしれない。

posted by 小だぬき at 07:05| Comment(0) | TrackBack(0) | うつ病について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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