2012年10月09日

香山リカのココロの万華鏡:タレントと比べないで 



香山リカのココロの万華鏡:タレントと比べないで 

毎日新聞 2012年10月09日 東京地方版

「産後ダイエット」の本が大はやりだ。
本に登場するのは、出産を経験した女性タレントたち。
妊娠して10キロ以上、体重が増加したけれど、産後数カ月で以前の体形に元通り。そのために役立ったのがこの体操や食事法なんです、と写真つきで紹介している本も多い。


 興味本位でながめてみると、そこにはおなじみのタレントが輝くばかりの笑顔で写っている。
「へえ、独身時代よりむしろきれいになったみたい。やっぱり子どもを産んだ直後の女性は最高に美しいってホントなのかな」と子どもを持ったことのない私はちょっぴりうらやましくなる。


 でも、これは万人に当てはまるわけではないようだ。
診察室で1歳と3歳の子どもを持つ女性が言っていた。
「出産後、体形も戻らないし、だいたい美容になんか気をつかう時間も気持ちのゆとりもないですよ。
見てください、肌もボロボロだし髪もバサバサ……。
このあいだ夫がテレビを見ながら“このタレント、子どもが3人もいるのにきれいだなあ”と言って、比べるような目でこっちを見たので、キレて怒鳴ってしまいました」


 ふだん夫は仕事に追われてほとんど育児にも協力してくれず、女性はひとりですべてをこなさなければならない。その上、タレントと自分とを比べられては、たまったものではないだろう。


 たしかに診察室にいると、「産後、美しく輝く女性」より「産後、疲れとストレスからうつになる女性」に会う機会のほうがずっと多い。
そういう女性たちにとっては、「こんなに美しくなりました!」という出産タレントたちの本は、かえって目に毒だと言えるかもしれない。


 「自分はボロボロ」と嘆く女性には、こう声をかけた。
「考えてみてくださいよ、タレントさんたちには子育てを手伝ってくれる人もいるでしょうし、ダイエットや美容法を実践するのがある意味、仕事なのだから、専門家が大勢ついているわけでしょう。うのみにして自分と比べる必要なんてないですよ。夫にも、私がそう言っていたと伝えてください」


 出産しても抜群のスタイルと美貌、生き生きと前と同じように仕事をこなす女性は、たしかにあこがれの的ではあるが、自分と比較して落ち込む対象ではない。

「へえ、こうなるためにはずいぶん多くの人がサポートしてるんでしょうね」とちょっとナナメに見るくらいが、ちょうどいいのではないだろうか。

〔都内版〕
posted by 小だぬき at 13:41| Comment(0) | TrackBack(1) | うつ病について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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