2012年11月08日

逆説の落とし穴は意外に広い。そう心得るのが賢明だ。

天声人語
2012.11.7   朝日新聞


とある車のテレビコマーシャルを見てヒヤリとなった。
すると天野祐吉さんが、本紙連載の「CM天気図」でやんわりとそれを突いていた。派手によそ見をしながら運転し、あわやぶつかる寸前で自動的に止まる、という宣伝である

▼「飛び出すな、車は急に止まれない」なんていう交通安全標語は、これからは余計なお世話になるのかもしれない、と天野さんは言う。
その一方で心配する
「安全性が増したことで運転がお粗末になったりすることが、ないとは言えないだろう」

▼車の安全性の向上は著しい。自動ブレーキは前方の物体を感知して、時速30キロ以下ならぶつからずに止まるそうだ。
装着車は割高ながら、売れ行きはいい

▼ブレーキが間に合わないとき、自動でハンドル回避する装置も開発途上にある。
まぶたの動きなどで居眠りを検知する装置は、将来は自動で路肩に止める機能も加えるという。
他にもあれこれ、至れり尽くせりの助っ人たちだ

だが、世には「ジェボンズの逆説(パラドックス)」というのがある
省エネ技術が進むと逆に消費が増える、と述べる説だ。
平たく言えば、低カロリーのお菓子があると、気を許して食べ過ぎ、かえって目方が増えるという皮肉。
車も、せっかくの安全技術が野放図な運転を呼ぶようでは困ってしまう

▼今の時代、ケータイにせよスマホにせよ運転中の誘惑は多い。プロが飛ばす旅客機でも自動操縦装置を過信した事故はままある。
逆説の落とし穴は意外に広い。そう心得るのが賢明だ。
posted by 小だぬき at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
モッピー!お金がたまるポイントサイト