毎日小学生新聞 2012年11月23日
◇働(はたら)くことに感謝(かんしゃ)する日(ひ)。新嘗祭(にいなめさい)に由来(ゆらい)します
なるほどヒヨコ
23日(にち)は「勤労感謝(きんろうかんしゃ)」の日(ひ)だね。キンローってなんのこと?
記者(きしゃ)
一生懸命(いっしょうけんめい)に働(はたら)くことを勤労(きんろう)といいます。
勤労感謝(きんろうかんしゃ)の日(ひ)は「勤労(きんろう)をたっとび、生産(せいさん)を祝(いわ)い、国民(こくみん)がたがいに感謝(かんしゃ)しあう日(ひ)」として祝日(しゅくじつ)に定(さだ)められています。
元々(もともと)は新嘗祭(にいなめさい)という行事(ぎょうじ)に由来(ゆらい)しているんですよ。
ヒヨコ
ニイナメサイ?
記者(きしゃ)
天皇陛下(てんのうへいか)がその年(とし)に収穫(しゅうかく)した新米(しんまい)や穀物(こくもつ)を神様(かみさま)に供(そな)え、神様(かみさま)とともに食(た)べ、秋(あき)の実(みの)りに感謝(かんしゃ)する行事(ぎょうじ)です。
「新(にい)」は新穀(しんこく)を、「嘗(なめ)」は食(た)べ物(もの)をととのえてもてなす、という意味(いみ)があります。
古(ふる)くは「古事記(こじき)」にも天照大御神(あまてらすおおみかみ)がこの儀式(ぎしき)をしていたという記述(きじゅつ)があるそうです。
今(いま)でも宮中(きゅうちゅう)や出雲大社(いずもたいしゃ)、伊勢神宮(いせじんぐう)など各地(かくち)で行(おこな)われています。
宮中行事(きゅうちゅうぎょうじ)としては、最(もっと)も大切(たいせつ)な行事(ぎょうじ)とされ、天皇陛下(てんのうへいか)が栽培(さいばい)した穀物(こくもつ)も供(そな)えられます。
ヒヨコ
お供(そな)えするのはお米(こめ)だけ?
記者(きしゃ)
米(こめ)のほか、麦(むぎ)、アワ、豆(まめ)、キビまたはヒエの五穀(ごこく)とお酒(さけ)です。
冬至(とうじ)も近(ちか)くなり、太陽(たいよう)の力(ちから)が弱(よわ)まってくるこの時期(じき)に、古代(こだい)の人(ひと)たちは、新(あたら)しい穀物(こくもつ)のパワーを体(からだ)に取(と)り入(い)れることで厳(きび)しい冬(ふゆ)を乗(の)り切(き)ろうとしたのだと考(かんが)えられます。
この時期(じき)、五穀(ごこく)を混(ま)ぜたご飯(はん)を食(た)べてみるのもいいかもしれませんね。
ヒヨコ
秋(あき)の恵(めぐ)みに感謝(かんしゃ)するお祭(まつ)りなんだね。外国(がいこく)でも同(おな)じようなお祭(まつ)りがあるの?
記者(きしゃ)
「Thanksgiving Day」(感謝祭(かんしゃさい))という祝日(しゅくじつ)がちょうど同(おな)じころにあります。
アメリカは11月(がつ)の第(だい)4木曜日(もくようび)、カナダでは10月(がつ)の第(だい)2月曜日(げつようび)。
こちらは家族(かぞく)が集(あつ)まって、家(いえ)で七面鳥(しちめんちょう)とジャガイモを食(た)べるのが一般的(いっぱんてき)です。
ヒヨコ
うーんおいしそう!
記者(きしゃ)
元々(もともと)は宗教的(しゅうきょうてき)な色合(いろあ)いが強(つよ)かった新嘗祭(にいなめさい)でしたが、第二次大戦後(だいにじたいせんご)の1948年(ねん)に国民(こくみん)の祝日(しゅくじつ)として「勤労感謝(きんろうかんしゃ)の日(ひ)」に制定(せいてい)されました。
みなさんはまず、お父(とう)さんやお母(かあ)さんなど身近(みぢか)にいる、働(はたら)く人(ひと)たちに感謝(かんしゃ)する日(ひ)にしてみるといいかもしれませんね。
【上東麻子(かみひがしあさこ)】