2013年02月09日

集団的自衛権 解釈変更は本末転倒だ

集団的自衛権 解釈変更は本末転倒だ
2013年2月9日  東京新聞社説

 政府の解釈で憲法違反とされている「集団的自衛権の行使」。
それを認めるために置かれた有識者懇談会が再始動した。
憲法改正ではなく解釈変更で突破する手法だが、いかにも無理がある。


 集団的自衛権は自国と密接な関係にある外国への武力攻撃を、自らは直接攻撃されていないにもかかわらず実力で阻止する権利だ。
日本政府は国際法上、権利を有するが、行使は憲法九条が認める自衛権の範囲を超え、許されないと解釈してきた。


 安倍晋三首相は以前から解釈変更に意欲的だ。
第一次内閣当時の二〇〇七年四月に「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)を設置したが、同懇談会が行使容認の報告書を提出する前に退陣したため、報告書がお蔵入りとなった経緯がある。


 懇談会再開は首相には「リベンジ」なのだろう。
日本が集団的自衛権を行使すれば、米国への攻撃に日本が反撃できる。
米国が日本を守る片務的な日米安全保障体制は双務的となり、同盟は強化される−。こんな計算がうかがえる。


 しかし、政府解釈は歴代内閣が継承し、定着したものだ。
平和国家・日本の「国のかたち」を一内閣の解釈変更で変
えていいのか。


 憲法の有権解釈権は政府ではなく国会にあるとの意見もある。


 自民党は昨年、集団的自衛権の行使を一部認める「国家安全保障基本法案」を決めた。
行使を認める法律が成立すれば政府解釈は効力を失うとの論法だが、法律が憲法を上書きするのは本末転倒だ。
必要なら憲法改正を発議し、国民投票で是非を問うのが筋だろう。


 そもそも集団的自衛権を行使する事態が現実に想定されるのか。
首相が検討を指示した、近くの米艦艇が攻撃された場合、自衛艦は自らの防御として反撃するだろうし、米国に向かう弾道ミサイルを現装備で迎撃するのは困難だ。


 首相は今月下旬の日米首脳会談で行使容認の方針を伝える意向だったが、米国側は「中国を刺激する懸念がある」として支持表明に難色を示している、という。
現実から遊離した議論では、米国側からの支持も得られまい。


 日本は基地提供という日米安保条約の重い義務を負い、すでに双務性を果たしていると考えるのが妥当だ。

条約を効果的に運用したいのなら、沖縄県という一地域が負う過重な基地負担の軽減に、まず取り組むべきだろう。

 両首脳の「初顔合わせ」がその第一歩になるのなら意味がある。
posted by 小だぬき at 12:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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