2013年02月16日

基準値下げて患者急増する高血圧疾患 年間2兆円の医療費

基準値下げて患者急増する高血圧疾患 年間2兆円の医療費
2013.02.14 07:00  NEWSポストセブン

健康診断の結果を見ながら、「高血圧の基準値、昔はこんなにf厳しかったかな?」と首をひねったことはないだろうか。
 現在、日本高血圧学会が示す正常血圧は上(最高血圧)が130未満、下(最低血圧)が85未満というもの。
健康診断などではこの数字を上回ると再検査や治療が必要とされる。


 この基準値は年々引き下げられてきた。
1987年の旧厚生省の基準では上が180未満、下が100未満でいわゆる正常値とされ、当時の高血圧症の患者数は170万人だった。


 その後に基準値はどんどん引き下げられ、2008年からスタートした現行の基準を上回る日本人は約2700万人とされる(日本総合健診医学会の健診結果と厚労省「2008年人口動態統計」による推計)。
20年あまりで高血圧症と診断される人が約16倍に増えたのだ。


 この厳しい基準値の問題点を指摘するのは東海大学名誉教授(元医学部教授)の大櫛陽一氏だ。


常識として知っておくべきなのは、血圧は歳を取れば高くなるのが自然ということです
加齢とともに血管の弾力性がなくなり、その中で心臓が体中に血液を行き渡らせようとするから血圧が上がる。
体が正常に反応している証拠であり、必要な変化でもある。
すべての年齢に同じ基準値を当てはめるのはあまりに非常識なのです」


 大櫛氏は年齢の違いに着目して、全国約70万人の健診結果から男女別に年齢ごとの血圧の基準範囲を求めた。
その結果は、20代であっても上は145まで問題ないというものだった。


「血圧が高くなると血管が破れる疾患が起きるとされてきましたが、米国では血管の弱った脳梗塞治療患者でも185までは血管がすぐに破れる恐れはないという研究結果があり、それに基づく治療が行なわれています。


 血圧は状況によって変わりますから少し余裕を見る必要はありますが、例えば50代前半の男性ならば上が155、下が101、
50代後半ならば上が161、下が102までは正常範囲内と言えます。


 また、160を大きく超えるような状況でも、薬を使うかは慎重に判断すべきです。

薬で急激に血圧を下げると血液の流れが悪くなり、脳の血管が詰まる脳梗塞などを起こしやすくなる。
特に高齢者の場合は高血圧より下げ過ぎのほうが危険です」(大櫛氏)


 基準値引き下げで“患者数”が激増したことにより、高血圧性疾患には年間2兆円近い医療費が使われ、そのうち約9000億円を薬代が占める。
安易な投薬は健康と国の財政に悪影響を及ぼしている。


※SAPIO2013年3月号

posted by 小だぬき at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
高血圧の人って意外に多いよね
私は大丈夫
低血圧です
やっぱり駄目だね
健康で元気の良い私は遠い昔だわ(‥;)
Posted by みゆきん at 2013年02月16日 16:20
私も うつ発症前からは、200-110の「高血圧患者」です。もう10年近く降圧剤を飲んでいます。低血圧の人は 他から解りずらいから辛いですね。
高血圧は 多くは気づいてもらえるからありがたい。この基準の根拠が科学的なのか疑問ですね。
まだまだ 病気の時以外は元気!!
医療費がこんなにかかって、厚労省は抑制と数値の再検討をしないのが不思議です。
Posted by 小だぬき at 2013年02月16日 18:13
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック