2013年02月23日

社説:視点 安倍政権と自助 頑張れない人どうする

社説:視点 安倍政権と自助 頑張れない人どうする
毎日新聞 2013年02月22日 02時30分

「頑張った人が報われる社会にする」と安倍晋三首相は言う。
自助・自立が自民党の社会保障政策の核だ。

頑張れない人はどうするのだと言いたいところだが、高齢化と人口減少を考えると、財源なしに甘い政策ばかり並べる時代ではないとも思う。
 
 「頑張る人」とはまじめに働いて税金や保険料を納める人、他人に負担をかけずに暮らす人を指すのだろう。
たしかに、高齢になっても誰かの役に立ち、社会貢献もしたいという人は多い。

しかし、頑張りたくても頑張れない人が自立するにはその前提条件がいる。

 これまでは家族や地域の互助・共助のクッションがこうした人を守り、自立できる環境を提供してきた。
その機能が弱った今、ただ自立を求められても頑張れない人は追い詰められるだけだ。

  「ブーツォルグ」という高齢者の地域ケアを担う非営利団体がオランダで注目されている。
看護師を中心に最大12人の小さなチームが各地に点在して町で暮らす高齢者を支えている。
一人の看護師が一人の高齢者のアセスメントから介護計画の作成、直接介護まで行う。
財政や職員採用、教育も各チームに任されている。
組織の拡大とともに分業が進んで職員が歯車化するよりも、個々の看護師が権限と責任を持って自律的に動くことが仕事へのモチベーションを高めるというのだ。
 
 
最大の特徴は、看護師が高齢者の自助の力を引き出し、家族や近隣住民を巻き込んで支え合う状況を作り出すと、自分たちは手を引いていくことだ。

頑張って成果を上げるほど仕事がなくなり収入は減るが、職員の満足度は同業者の中で最も高い。
高齢者にとっても日替わりで介護されるよりも、看護師とじっくり信頼関係を築き、家族や友人に囲まれて自立生活する方が満足度は高いという。
 
 設立6年目で計540チーム(看護師6500人)を擁する団体に成長したが、事務職員は最小限に抑え、絶えずネットを使って連絡を取り合いながら医療やケアの知識や技術を身につけている。
運営コストは極めて低く、政府関係者や企業から見学者が絶えないという。
 
 実は、日本でも似た活動は見られる。財政破綻で知られる北海道夕張市などでも地域の人々が参加する在宅医療・ケアの輪が広がっている。

 どの先進国も財政難の中で高齢化に直面しており、目指すべきものは共通している。
規制や既存組織の壁がないところでは理想が実現しやすいということではないか。  壁をなくす−−政治の役割はこのあたりにあると思う。
        (論説委員・野沢和弘)


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posted by 小だぬき at 02:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
その通り
頑張りたくても頑張れない高齢の人は、ごまんといるわ
産めよ増やせよの戦時中
現代、医療費の高い日本で産めよ増やせよ?
保障も何もない現代
だから、1人暮らしの孤独死や子殺しが増えるんだわ(‥;)
 
酸ヶ湯は冬場もやってるよ
スキー客や湯治客がいっぱいよ。
Posted by みゆきん at 2013年02月23日 10:38
酸ヶ湯 冬場もやっていいるのですか??
アクセスが大変な中 湯治客もいるの? 驚きです。何か昔の八甲田行軍追試が遊びのように思えてしまいます。
今の高齢の方は 戦争体験や戦後の混乱期・安保条約反対運動高揚期の方々。苦難の中で育ち 高度成長の時に多大な貢献をして、ほっとする間もなく「老齢者」としての苦難の中にある。これが資本主義と頭ではわかっても過酷の人生です。
少なくとも オランダなどでできること位は保障されていいと思います。
日本のシステムの歪みですね。
出産時の費用も30万近くかかり、戻るとはいうものの後払いでは 出産も考え込む女性が増えますよね。
「人間の生活第一」を本気で考える時だと思います。
Posted by 小だぬき at 2013年02月23日 13:05
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