毎日新聞 2013年02月26日 東京地方版
精神医療関係者のサイトを見たら、「子どものトラウマ対策に糸口なし」という衝撃的なフレーズに出合った。
アメリカの学会の研究によれば、災害や事故などで命の危険にさらされるような経験をして、“心の傷”つまりトラウマを負った子どもに対して行われた治療のち、「これぞ効果的」と考えられるものはほとんどなかったのだという。
また、有効と思われた一部のカウンセリング的な治療にしても、その後の追跡調査はほとんど行われていない。
結局のところ、「長い目で見たときに、トラウマを受けた子どもの治療として何が有効なのかはよくわからない」ということだ。
最近の研究では、命にかかわるようなショッキングなできごとを経験すると、一部の人の脳にははっきりと目に見えるような変化が起きて、フラッシュバックなどの症状が表れることがわかっている。
トラウマじたいは脳というより心の問題だが、それが実際に「脳の故障」を引き起こすということだ。
「恐ろしかった」「本当に驚いた」という経験や、誰かからの強い脅しの言葉などが、脳を悪い方向に変化させることがある。
ということは、脳の機能をアップさせたり、トラウマによるマイナスの変化を食い止めたりするのに役立つ経験や言葉もありそうだ。
一般的には何でも前向きに考えるポジティブシンキングが脳によい、とされているが、はっきりと画像などで確認されたわけではない。
いま、学校やスポーツ指導の場における体罰が大きな問題になっている。
それを受けた子どもや選手は単にからだが傷つくだけではなくて、心にも大きなダメージを負って、生きる意欲をなくす場合さえある。
ある意味で、トラウマにも匹敵する経験だ。
加害者である教師やコーチを交代させたり罰したりしても、本人が受けた心のダメージじたいが回復するものではない。
「あなたは悪くない」「あなたにはよいところがたくさんある」と失われかけている自信をチャージするような言葉のシャワーが必要かもしれない。
それも特定の誰かではなくて、家族、教師、友だち、カウンセラーらいろいろな立場の人が励まし、支える必要があるのではないだろうか。
そして、専門家は一日も早く有効なトラウマ対策を示せるよう、研究を進めることが必要だ。
子ども時代にトラウマを受け、立ち直ることができた人に、私もききたい。
あなたを地獄から救ったものは何ですか?
私もトラウマがあるわ
そうね・・・治らないかも
精神的ショックは心にくっついて離れない
だから、日々の暮らしに笑いを沢山
いつも笑ってたら、その瞬間、トラウマが消えてます。
瞬間だけは駄目かな?
なんとか 乗り越り請えうと゜しているのですが・・。