毎日新聞 2013年03月04日 02時32分
政府の規制改革会議や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に関する議論で混合診療が注目されている。
混合診療の一部は現在も認められており、必要性に応じて慎重に広げるべきだが、患者の安全や負担の面から全面解禁には反対だ。
病気で治療を受けると公的医療保険から治療代や薬代が支払われる。
どの治療や薬を保険適用とするかは値段も含めて国が決めており、それ以外の自由診療は患者の自己負担となる。
混合診療とは保険適用の治療と自由診療を併用することで、この場合は保険適用分も含めてすべて患者が負担しなければならない。重い自己負担を課すことで、実質的に自由診療を制限しているのだ。
海外で使われているのに国内では未承認の医薬品、先進的な医療技術を用いることに意欲のある医師は少なくない。
希望する患者も多いはずだ。
自由診療の拡大は製薬企業や医療機器メーカーだけでなく民間保険会社も歓迎するだろう。
しかし、一般の商品やサービスと医療は違う。
消費者の立場である患者より医師の方が圧倒的に専門知識がある「情報の非対称性」、医療が本質的に持つ不確実性を考えねばならない。
もしも大事な家族が病気となり、未承認で費用もかかるが効くかもしれない治療法があると医師に言われたら、借金をしても頼みたくなるのが人情ではないか。
有効性や安全性の判断は最終的に医師に委ねるしかなく、効果や副作用を後で患者が検証することも容易ではない。
国内外で承認された薬でさえ不適切な使用で多くの副作用被害を出した例はいくらでもある。
市販後に新たな副作用や不具合が確認された薬や医療機器も珍しくない。そのために公的な審査機関で何重ものチェックをしているのだ。
現在、100種類以上の高度先進医療が混合診療を認められているが、国が指定する医療機関で行われ、有効性や安全性が確認されれば保険適用となり、そうでなければ混合診療から外される。
その枠を広げることは検討すべきだが、個々の医師の判断にすべてを任せるのは無謀だ。
最高裁も安全面などを考慮し現行制度を認める判決を出している。
高齢化や医療技術の革新に伴って公的医療費は年々増えている。
医療費抑制への圧力が強まる中で混合診療を解禁したら、患者負担の自由診療が広がるのは目に見えている。
毎日多数の患者を診察して疲弊している現場の医師にとっても高収益の自由診療は魅力的なはずだ。
今でさえ医師不足や医療崩壊が叫ばれているのだ。
保険診療しか受けられない患者は医師探しに苦労することになりはしないか。
副作用の心配
それでも何もしないで死ぬよりは良いと思ってる人達
うーん難しい問題だね。
不思議でならないのは 多くの患者さんや研究者が支持していた がん免疫療法薬「丸山ワクチン」が 東大閥の医薬審から排除されたままなのです。
また「ジェネリック」がいいと宣伝してますが
新薬と効果が変わらないのであれば、「新薬」って何だろうと思ってしまいます。
不思議な世界です医薬・医学の世界は・・