毎日新聞 2013年03月26日 東京地方版
名前はとても大事だ。
警視庁はこのほど、高齢者などからお金をだまし取る「振り込め詐欺」にかわる新しい名前を募集する、と発表した。
最近では、犯人が被害者の家などに出向いて、直接、現金を受け取るケースが増えており、「振り込め詐欺」では実態にあわなくなっている。
いつまでもこの名称だと「振り込むように言われていないから、これは詐欺じゃないよね」とだまされてしまう人もいそうなので、もっとピンとくる名前にかえよう、というのだ。
実は、精神医療の世界でも、病気の名前の変更が行われたことがあった。
それは今から10年以上前の2002年のことなのだが、それまで長く「精神分裂病」と呼ばれていた病気の名前を、より軽めの印象を与える「統合失調症」にかえることにしたのだ。
この病気は、かつては原因も治療法もはっきりせず、幻聴や妄想といった症状が長く続き、その後も重い後遺症に苦しむ人が少なくなかった。
学校や仕事を辞めなければならない人も多く、本人にとっても家族にとっても恐ろしい病気、それが昔の「精神分裂病」だったのだ。
その後、この病気は心の病ではなく、「脳・神経の障害」ということがはっきりしてきて、同時に薬物療法やリハビリも著しく進歩した。
早い段階できちんと治療をすれば、社会生活も続けられるし、後遺症も防げる“ふつうの病”になったのだ。
「『精神分裂病』などという強烈な名称はもはや実態に見合わなくなった」という声が上がり、検討を重ねた結果、「統合失調症」という名称にかわったというわけだ。
10年が経過した頃、大がかりな調査が行われ、一般の人たちも「この名前のほうが、自分や身近な人がなった場合でも抵抗なく使える」とこの変更を評価していることがわかった。
昔のように「恥ずかしい、受け入れられない」という声も減り、「統合失調症と診断されたらすぐに治療をしたい」と答える人が増えた。
やはり名前は大事なのだ。
「統合失調症」の場合は強烈なものから軽めのものへの変更だったが、
「振り込め詐欺」はその逆だ。
「詐欺には振り込むものと振り込まないものとがある」という意味を含み、なおかつわかりやすいネーミング。
一般の人たちから応募される中に、ぴったりの名前があるだろうか。
警視庁は例として「息子ピンチ詐欺」「母さん助けて詐欺」などをあげているが、もっと「なるほど!」と膝を打つ名前に決まればいいな、などと考えている。
もうこの世に居ない人の名前を出した、お馬鹿さん
つい『Mちゃん、お墓の中から電話してるの?』って言ったら、電話を切った
こんなに世間で騒がれた振込み詐欺
未だに、後を絶たないし、振り込んでしまうのは、お金があるからなのね(^^;)
詐欺などの犯罪をする奴の「悪知恵」を 良い方に使えばなぁ・・・と、感じる所です。
振り込め詐欺は 親心・肉親愛を利用する悪質な犯罪です。肉親のためには どんなにムリをしても助けたいと思う心を利用する悪質さです。老後の蓄え払える程度の金額を提示する悪質さです。