2013年04月02日

止まらない若者の流出

止まらない若者の流出
2013年4月1日 東京新聞「私説・論説室」

 介護の現場から、去るのは若者ばかりだ。


 東日本大震災から二年がたったのに、被災地からの人材流出が止まらない。

 福島県老人保健施設協会の調査結果を見て気が重くなった。


 県内六十八の介護老人保健施設に状況を聞いている。
避難を理由にした退職者は、震災から昨夏まで百四人いたが、その後現在までさらに十七人いる。

 その八割以上が二十〜三十代だ。
若者が辞める傾向は続いている。


 本間達也会長は「やはり放射線への不安です。
特に若い人は将来を考え不安が募っている」と話す。


 子どもの小・中学校への入学を機に県外に転居する女性職員が少なくない。
二年先の子どもの入学に合わせ転居を考える人もいる。


 除染は進むが同じ地区でも線量はバラバラ。
どこに高線量が潜むか分からない不安が絶えずつきまとう。


 本間会長の施設では被災直後から、職員が分担して施設や自宅周辺の線量を測り続けている。
職員たちは数値の変化に敏感になっているという。
「みんな先の見えない不安を抱えている」と担当者は言う。

 人材養成施設では定員割れ、求人にも応募がない。


 原発事故は続いている。

 被災地では建設分野に多額の復興予算が投入されている。
一方で、介護職員は給与が低く離職者が多い。
「復興のためせめて給与を上げられないか」との思いは切実に思う。 
              (鈴木 穣)

posted by 小だぬき at 10:33 | Comment(3) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
子供のいる夫婦
そして放射線の不安
仕方ないのかもしれない・・・。
Posted by みゆきん at 2013年04月02日 17:48
コメ入ったかな?
今日はブログが重いわ(^^;;
Posted by みゆきん at 2013年04月02日 17:49
首都の永田町・霞が関機能を福島に移動しなければ 放射能の恐怖かわからないかもしれない指導曹。悲しい現実ですよね。
Posted by 小だぬき at 2013年04月02日 18:24
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