2013年04月04日

有名進学校、競争激化で“生徒リストラ”拡大 華々しい成果に潜む闇…

有名進学校、競争激化で“生徒リストラ”拡大 華々しい成果に潜む闇…
2013.04.03   zaKzaK(夕刊フジ)

  教育現場では新学期がスタートした。
東大、京大や早慶など難関大学の高校別合格者ランキングが確定するなか、華々しい成果の裏に潜む“闇”が浮かび上がった。

一部の高校が進学実績のアップへ走るあまり、手間のかかる成績不振の生徒に退学を促しているというのだ。
民間の支援団体への相談件数は増加傾向にあり、東大合格者ランクで上位常連校の生徒も含まれるという。
有名進学校の競争激化が思わぬ問題を引き起こしている。

 学校側の決まり文句は「環境を変えた方がいいですね」。
三者面談で保護者と子供が聞くこのセリフこそ、紛れもない「退学勧告」だ。
今、こうした経緯で行き場を失った高校生が増えている。

 不登校や高校中退の問題に取り組む「NPO高卒支援会」(東京)によると、2012年に同会へ寄せられた相談は約300件にのぼる。
前年比で20%増加した。
主な相談の事例をみると、目立つのが有名進学校で勉強についていけずに留年が確定したケース。
留年を受け入れるのはまれで、ほとんどの生徒が在籍した学校を去っていく。

 相談者に配慮して学校の実名は避けるが、創立100年を超える伝統校では、男子生徒が成績不振によって留年が確定し、転校先選びなどで同会に救いの手を求めてきた。
また、東大合格者ランクの上位常連校では、男子生徒が学力不足で進級できず、学校側から「他の学校へ移るように」と促されたという。

 成績不振が原因ではないが、近年、進学指導に熱を入れる私立高では学力による差別があったとされる。
不祥事を起こした男子生徒3人のうち成績優秀な1人だけおとがめなしという露骨な策がとられたというのだ。

 高卒支援会の杉浦孝宣代表が、問題の背景を解説する。

 「少子化が進む中で各高校はとにかく生徒を集めたい。
高校にとって唯一の生き残り策は、大学への進学実績を上げること。
難関大学で多くの合格者を出せればなおよい。

競争が激化するなか、できない子をできるようにするための補習が、できる子をよりできるようにするものへと変わった。
できない子は排除、弱者は切り捨てられている」

 進学実績を上げているなかには「面倒見のよい」と評される学校が多い。
「毎朝の小テスト、夜遅くまで行う補習にしても、目的は難関大学への合格者を増やして学校の評価を上げること。
学校に貢献できない生徒には冷たい。高校の予備校化が著しい」(進学塾講師と、苦しむ生徒たちへの「面倒見」は置き去りにされている。

 学校から見捨てられた後、再スタートを切るのは難しい。
前出の杉浦氏は「地方では公立高校の転校に家族全員が学校の近くへ引っ越さなければならないなど、厳しい条件をクリアしなければならない。
救いの手を求める子供が増えるなかで、国や自治体の支援態勢は極めて不十分」と訴える。

 「尾木ママ」の愛称で知られる教育評論家の尾木直樹氏は「入学試験の選抜を経て預かった生徒なのだから、ちゃんと補習を行ってでも卒業させるのが筋。
それが学校の愛、教育だと思う。
ただ、受験勉強が中心の学校では成績だけが評価の基準になり、子供が居づらくなるケースもある。環境を変えるよう促すのは、あながち切り捨てだけではない側面もある」とみている。

 また、「夜回り先生」として知られる教育評論家の水谷修氏は「高校は義務教育ではない。
特に私立高校ならその学校を選んだ保護者と本人の責任もある。
だが、受験対策で特定の生徒だけ成績を無理に伸ばそうとするゆがんだ学校は、いずれ滅びると覚悟した方がよい」と警告した。

子供が独り立ちできるよう見守り、支える。それが学校のあるべき姿ではないのか。
posted by 小だぬき at 06:59 | Comment(2) | TrackBack(0) | 教育・学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今朝の新聞に載ってた
優秀な生徒と、そうじゃない生徒をランク別に分けて、環境を変えた方がいいですね・・・
こうなっちゃったら、日本もお終いだわ
後に芽の出る木を抜くのと同じだと思います。
卑劣だわピシッ! (*ー"ー)ノ☆)゜ロ゜)ノ グハッ!!
Posted by みゆきん at 2013年04月04日 10:57
本当は「教え合い・助け合い」で 全ての子に理解させていくやり方がベストですが、学校も父母も 間違った受験至上主義・競争主義で 教育や友人関係の在り方を見失っている。なぜ できないのか・・、生徒の能力だけに責任を求めるのは 無責任な体制です。
Posted by 小だぬき at 2013年04月04日 19:03
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