2013年05月04日

憲法を国民を縛る装置に百八十度転換・・

憲法を国民を縛る装置に百八十度転換させて、多数派の横暴・・・
2013年5月4日 東京新聞「筆洗」
 

 日本でも公開が始まった映画「リンカーン」(スティーブン・スピルバーグ監督)は見どころの多い佳作だ。

奴隷解放をめぐって起きた南北戦争の終結前に、合衆国憲法修正一三条を議会で可決し奴隷制を廃止する−。
難関を正面突破したリンカーン米大統領の実像に迫っている

▼闘ったのは下院の「三分の二」の壁だ。
与党の共和党からも奴隷制を認めて和平を進めるべきだとの声が強まる中、あらゆる手段を駆使し野党・民主党を切り崩し、わずかな差で修正一三条を可決した

▼約百五十年後の日本でも、焦点は三分の二の壁だ。
改憲の発議に必要である「衆参各院の三分の二以上の賛成」を過半数に緩和する憲法九六条の改正が、参院選の争点に浮かび上がってきた

憲法の役割を、国家を縛ることだと位置づけるのが立憲主義の大原則である。
多数派の横暴を防ぐ知恵である三分の二の壁
を壊せば、国民投票しか残らない。
立憲主義は踏みにじられる

▼政権から下野したわずかな期間を除けば、多数派であり続けた自民党が改憲条件の緩和を求めるのには、いかにも裏がありそうだ。
その先に目指す社会像は、自民党の憲法草案に正直に書かれている

憲法を国民を縛る装置に百八十度転換させて、多数派の横暴に容易に歯止めが利かない社会。
憲法記念日に九六条改正の先を想像すると、息苦しい未来が見えてきた。
posted by 小だぬき at 09:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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