2013年05月21日

マイナンバー法 踏みとどまる良識を

マイナンバー法 踏みとどまる良識を
2013年5月20日 東京新聞「社説」

 国民らに個人番号を付けるマイナンバー法案が衆院を通過し、参院で審議に入った。
個人情報流出の危険や国民監視の強化につながる懸念がある。
踏みとどまって、良識ある議論を尽くしてほしい。


 インターネット時代には、個人情報の取り扱いは、より慎重を期すべきものだ。
いったん外部に流出したら、取り返しがつかないためだ。
マイナンバー法が扱う個人情報は、氏名や住所など個人を特定する基本情報から、納税実績や年金・介護情報など幅広い。


 共通番号制とも呼ばれ、全国民や法人などに番号を付けて、税分野や社会保障分野の情報を結び付ける。
行政庁ごとに管理された個人情報をネットワーク基盤を通じてひもづけし、データマッチングさせるので、国に一元管理されるのと同じ状態になる。


 法案が成立すれば、二〇一五年から国民一人一人に番号が通知され、一六年から運用が始まる。
だが、拙速に制度導入を決めることに賛成できない。

中央官庁もハッカー攻撃を受ける時代だ。
マイナンバーで国民の情報を集積することは、かえって危険である。
さまざまな個人情報が番号とともに流出し、深刻なプライバシー侵害を引き起こす恐れがあるためだ。


 運用の監督をする第三者委員会が設置されるものの、情報流出を完璧に防げるとは限らない。


 社会保障番号を使う米国では、なりすまし犯罪が絶えず、その被害は年間に兆円単位にものぼっている。
韓国でもなりすましと同時にネット上で個人情報が売買の対象にもなっているという。

 国家が共通番号制で個人情報を管理することは、国民監視を強めることにもなる。システム構築すれば、特定人物の検索ができるからだ。

税分野に限った番号制度を持つドイツで、多目的利用を禁止するのは、人を集団管理する危険性を戦時中の歴史体験として持っているからだといわれる。


 初期投資に約二千七百億円かかり、毎年のランニングコストは約四百億円にもなる。
巨大な「IT箱モノ」なのに、この制度で大幅な税収増は見込めはしない。費用対効果が不明なままで、公共事業を進めていいのか。


 いずれ医療分野の“増築”や、民間利用も検討され始めれば、プライバシーはさらに深刻な脅威にさらされよう。
利便性の裏には危険性が潜む。国民への説明も不十分なままで、法案を成立させては、将来に禍根を残す。

posted by 小だぬき at 06:31 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
もはや、個人のプライバシーって無いような気がします。
1つ、ネットで何を買えば
何と
ダーーーーーーーーーーーーッとショッピングのCM入るし
凄い世の中です。
Posted by みゆきん at 2013年05月21日 17:15
今回の法案でも 消えた年金・ホームレス・失踪者・拉致者などの問題は解決しません。
番号が一つ増えるだけといえるかもしれません。システムの設計やリンクは 人がやることです。IT専門家と管理を外国企業に委託したら 国家情報の駄々漏れになりかねません。情報統合のメリットを引きだすには カードを全員携帯しなければ 災害の安否確認など出来ない点ですろ。死者と誕生者の記録の書き換えなども必要で やたら税金が無駄使いされるものになる恐れがあります。
富士通・日本電気・三菱・東芝などの技術力が 落ちているだけに心配です。
Posted by 小だぬきむ at 2013年05月22日 10:10
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