2013年05月30日

心のゆとりが生むユーモアの力

心のゆとりが生むユーモアの力
2013年5月27日  読売新聞
     「海原純子のハート通信」

 いつも興味深い論文を見つけては「こんな面白い研究があるよ」と教えてくれる先輩の心理学の教授が先日、またちょっと笑えるテーマの研究論文を教えてくれました。
 チューリッヒ大学のウルスラ・ビーアマンらの研究テーマは「自分自身のおかしな表情の顔を笑えるゆとりのある人はどんな人か」というもの。

デフォルメされた自分の「変な顔」を見て、それに「おかしさ」を感じるか「イヤだ、見たくない」と嫌悪や拒否反応を示すか、について大学生を対象に調べた研究です。


 結果は、デフォルメされた自分の「変な顔」をおかしいと感じたのは、ふだんからユーモアがあり、陽気な性格傾向を持つ学生だったということです。

「笑い」や「ユーモア」は、客観的に自分自身を見ることができる心のゆとりがないと生まれないもの。
この研究結果はそれを示したと言えそうです。


 さて「自分のした失敗」も過失のことになると「笑い話」にできることはありませんか。
失敗直後には客観的になるゆとりがなく、失敗の心の痛みで落ち込んでしまうものですが、次第に、それが「あんなこともあったなあ〜」「昔は出来が悪かったな〜」などと笑い飛ばせるようになるものですよね。

そのように客観性ができるにつれて、失敗の痛手から回復できる訳です。
ユーモアはストレスを乗り切る大事な能力とも言えそうです。
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コメント
[論より証拠]2013年5月27日


人生の味付けをするユーモア。
人間だれしも自分が健康で、生活に満ち足りているときは、相手や自分が置かれた局面を受け入れられる余裕が生まれるものです。

さあそれがある日突然、がんなどと診断されたら狼狽してしまい、「ユーモア」なんて言っていられなくなります。
これから「変わり果ててゆく」将来の自分勝手に想像し、描き出しがちです。
過去を振り返って、「自分の失敗」を悔やむ人はいても、笑い飛ばせる人は少ないでしょう。

そんな局面に追い込まれたとき、人々が望むのは、ユーモアに満ちた人よりも、思いやりのある、自分の窮状を心底に理解してくれる人との出会いかも知れません。

乳がん予防のため、両乳房の切除・再建手術を受けた女優アンジェリーナの叔母が、乳がんのため死去したというニュースが流れました。
叔母は遺伝子変異が見つかって、2004年に、がんと診断されていたそうです。
九年前から数えると5年生存率は100%ということになります。

彼女は、摘出手術を受けたのか。
放射線治療、抗がん剤投与を9年間続けていたのか、諸々の治療は、信頼度の高いエビデンス(証拠、根拠)に基づいて判断されて、決定されたのか大事な点です。

患者が、自分の病症について抱く疑問点を、しっかりと受け止めて、優しく説いてくれる医師ならば、ユーモアのセンスなぞ多少欠けても、治療に励む患者の心にはゆとりが生まれてくるのではないでしょうか。

posted by 小だぬき at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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