「先進医療」の誤解に注意
2013.07.03 19:00 newsポストセブン
近年、耳にするようになった“先進医療”。
この言葉を聞くと、何をイメージされるでしょうか。
最先端の技術を利用した、最も新しい優れた治療方法を想像する方は多いはず。
しかし、“先進医療”とは、治療技術として優れているかどうかを指し示す言葉ではないことには注意が必要かもしれません。
■保険診療は安価で安全、安心
日本において医療を受ける場合、その多くが健康保険の適用された“保険診療”となります。
そのため、医療費の3割を負担するだけで、治療を受けることができるわけです。
■自由診療は全額負担
逆に、健康保険が適用されていないいわゆる“自由診療”の場合、厚生労働省による安全・安心と有効性が必ずしも十分に検証されていないものも少なくありません。
結果の自己責任だけではなく、医療費も全額自分で負担をしなければならないことは、ご存知の方も多いでしょう。
例えば、美容整形手術などは“自由診療”となりますので、それが高額医療になっている理由です。
■先進医療って何?
しかし、健康保険の適用を受ける前の医療技術であっても、新しく登場した効果や可能性の期待できる医療であれば、多少のリスクがあったとしても、受診したい人は少なくありません。
そこで、健康保険の適用前の医療技術でも、“先進医療”として承認された治療であれば、患者の利便性を向上させるために、“保険診療”との併用を認められています。
■先進医療は“最高医療”ではない!
“先進医療”とは、言うならば“新しい医療技術であるがゆえに、まだ評価が未知数”と言っても過言ではありません。
全額自己負担であるにも関わらず、医療費は病院によって異なりますが、多くの場合で超高額な医療費となることも珍しくはないのです。
■先進医療でも効果は未知数
患者にとっては、医療費以外にも懸案事項は少なくありません。
検証中の技術になるわけですから、高額医療費だからといって、その効果の確実性が保証されているわけではないのです。
言葉としては“標準医療”よりも“先進医療”の方が技術的に進んでいるような印象も受けがちです。
高額医療になってしまうこともそれに拍車をかけています。
しかし、実際の意味や内容はちょっと違います。