おさらいすべき熱射病の応急処置
2013.07.22 15:00 NEWSポストセブン
今年も熱中症で亡くなったという痛ましいニュースが後を絶ちません。
大人と比べて体力の少ないお子さんをお持ちの親御さんには気が気ではない最近の暑さだと思います。
仮にお子さんが熱中症、中でも熱射病になって倒れた場合の対処はご存じですか? 最悪の場合、死にいたる熱射病。
万が一なってしまった場合、一刻も早い体温低下が予後の状況を左右します。そこで今回お子さんが熱射病にかかった場合の対処法を考えます。
熱射病とは熱中症の一種です。
熱失神、熱疲労、熱けいれん、熱射病などを総称した暑熱トラブルを熱中症といい、
中でも命にかかわる重症を熱射病と呼びます。
熱射病の症状としては、意識に障害が表れ、激しい頭痛、吐き気、めまいなどが起こります。
熱射病になると血管が詰まり脳や心肺、肝腎機能などに障害を起こすケースも多く、最悪の場合は死につながります。
発症時にはすぐに救急車を頼み、集中治療室に運び込んで体温を下げ、意識を一刻
も早く回復させる必要があります。
また、救急車を呼んでから到着までの数分間で、母親や周辺の人間ができる対処法はたくさんあります。この際しっかりと学んでおきましょう。
(1)全身に冷水を掛けてあおぐ
お子さんの体に冷たい水をかけ、うちわなどであおいでください。単に冷水を掛けるだけよりも熱が逃げやすくなります。濡れたタオルを体に被せてあおいでも同じ効果が得られます。
(2)首の後ろ、脇の下、太ももの付け根を冷やす
首の後ろ、脇の下、太ももの付け根には太い血管が流れています。その血管を冷やすと体温低下にも役立つので、保冷材があれば首の後ろや脇の下、太ももの付け根に差し込んでください。お子さんのスポーツ大会などに応援で出掛ける際は、保冷材などを持参していくと安心です。
(3)水を口に含み、霧のように吹き掛ける
冷たい水や保冷材が近くになければ、水筒の水やペットボトルの水を口に含み、霧状にお子さんの体に吹き掛けても効果的です。霧状の水は蒸発しやすいので、体から逃げる熱の量も増えます。
最大の熱射病対策は、予防です。
筋肉痛や筋肉のけいれん、大量の汗や頭痛、気だるさ、顔色の悪さ、吐き気などの諸症状が出たら、すぐにお子さんを涼しい場所へ連れていき、塩分の入った飲料、例えばスポーツ飲料を冷えた状態で飲ませてあげてください。
仮に水分摂取が口から上手くいかずに吐き出してしまうようなら、病院で点滴をする必要があります。
救急車が必要なら迷わず出動をお願いしましょう。
以上の応急処置を頭に入れておくだけで、死のリスクもある熱射病からお子さんを守れます。
熱射病にならないことがいちばんですが、いざというとき慌てず対応できるようにしておきましょう。