手足口病、プール熱…夏に急増「子供の病気」侮るな
2013年07月30日 17:33 ゲンダイネット更新
●手足口病
7月に入ってから、患者が急増した。国立感染症研究所によると、7月8〜14日の患者報告数は全国で2万2000人で、昨年同時期の10倍に上っている。
主に4歳以下の乳幼児に発症するウイルス性の感染症で、口の中、手、足などに水疱(すいほう)ができる。発熱や喉の痛みを伴うこともある。
武蔵国分寺公園クリニックの名郷直樹院長は言う。
「このところ、感染した子供からうつってしまった大人の患者も増えています。
これといって特別な治療法はないので対症療法になりますが、ほとんどは軽症で1週間もすれば自然に回復します。
しかし、髄膜炎や脳炎などの合併症が生じたり、心筋炎になって心不全を起こすケースもあるので、頭痛や嘔吐(おうと)などの症状がある場合は注意してください」
手足口病の感染経路は接触感染や飛沫感染なので、子供が発症した際はこまめに手洗いやうがいをしたり、タオルを家族で共有しないといった基本的な対策を実践すること。ワクチンはない。
●プール熱
全国で流行の兆しがあり、患者数が過去10年間で最多の水準に達した地域もある。
正式には「咽頭結膜熱」というウイルス性の感染症で、プールで感染しやすいことから「プール熱」ともいわれている。
感染すると、38〜39度近い高熱が5日間前後も続く。喉の炎症や目が充血する結膜炎の症状を伴うことが多く、朝目覚めた時に目やにでまぶたが開けられなくなることも。
へんとう炎になるケースも珍しくない。
主に中学生以下の子供に多いが、大人にも感染する。感染力が強いため、発症したら出歩くことは避けたい。
「プール熱も対症療法が中心で、1週間ほど安静にしていれば治ります。
ただ、肺炎などの合併症を引き起こすケースもあるので注意が必要です。
感染を防ぐためには、手足口病と同じようにこまめな手洗いやうがいを心がけ、タオルなどは共有しないこと。
家庭内に患者がいる場合は、濃厚な接触は避けた方がいいでしょう」(都内の小児科医)
●百日ぜき
細菌による呼吸器感染症で、春から秋にかけての発生が多いといわれている。
感染すると潜伏期間を経て風邪症状が続き、徐々にせきが強くなっていく。
その後、激しいせきが2〜3週間も続き、回復まで3カ月近くかかるケースも。
大人は比較的軽症で済むが、乳幼児に感染すると、チアノーゼや嘔吐などが起こって呼吸停止へ重症化する場合もある。
「07年以降、20歳以上の成人患者が増加しています。
百日ぜきワクチンは、乳幼児期に4回接種した後、10歳以降で追加接種が必要ですが、日本では百日ぜきワクチンが含まれていないジフテリア破傷風ワクチンが使われています。
これが原因のひとつといわれていて、慢性せきに悩んでいる成人の1割は百日ぜきだとみられています」(名郷氏)
大人の場合、抗生物質の投与による治療が一般的だが、風邪の症状に似ているため、病院で診察を受けない人も多い。
気づかないうちに自分が感染源になってしまう可能性もあるので要注意だ。
成人用のワクチンはないため、これもこまめな手洗いやうがい、マスクをつけるなどして予防するしかない。
子供の病気だとタカをくくらず、思い当たる症状があったら、すぐに病院に行った方がいい。
2013年07月31日
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最近、テレビのニュースで見ました
ビックリだった(‥;)
抗生物質が効かないものに変化しているようです。
日本で一時 下火になっても 今は「海外」との交流も盛ん。
こればかりは、睡眠・栄養・清潔しか 身を守る方法はないのですね。私の時代は 予防接種に百日せきは はいっていなかったような記憶があるのですが・・・。