2013年08月20日

ネット依存 付き合い方を考えよう

社説:ネット依存 付き合い方を考えよう
毎日新聞 2013年08月19日 02時32分

  インターネットに依存している疑いの強い中学、高校生が全国で約51万8000人にのぼると推計されることが厚生労働省の研究班の調査でわかった。
予想以上に深刻な実態だ。
多角的な取り組みが急がれる。


 10万人を超える中高生が回答した初めての全国調査だった。
パソコンやスマートフォンなどを使ったオンラインゲームやメール、チャットなどネットへの依存度を世界的に実施されているテストで調べた。


 「ネットで人間関係を台無しにしたことがある」「やめようとすると不安やイライラを感じる」など8項目の質問に答えるもので、「はい」が5以上だと「病的な使用で依存の疑いが強い」、3〜4だと「不適切な使用」と分類される。


 その結果、依存の疑いが強い生徒は、男子が約6%、女子は約10%で、全体では約8%だった。


 ネット依存の疑いが強い生徒には、睡眠の質が悪いとか、午前中に調子が出ないといった傾向が目立ち、健康や生活に大きな支障をきたしていることがうかがえた。

夜更かしから不登校になったり、ネットから離れられなくて栄養失調になったりする例もあるようだ。


 2年前からネット依存の専門外来を設けている国立病院機構「久里浜医療センター」(神奈川県横須賀市)では、これまでに約150人が受診し、今年11月まで初診の予約が埋まっている。


 今回の研究班メンバーでもある樋口進院長によると、患者の50%弱は中高生で、当初はオンラインゲームにのめり込む男子が多かったが、最近はスマートフォンでの友人との言葉のやりとりがやめられない女子が増えてきた。

依存のために心に深いダメージを受けた子もいるという。


 ネットは情報収集にも、コミュニケーションにも、便利な道具だ。
ネットから離れた生活は今や考えにくいだろう。
だからこそ、多方面から、この問題を考える必要がある。


 家庭で話し合って、深夜の使用を禁止したり、ネット使用の制限時間を決めたりするなど、ルールをつくることは有効だ。
子供の変化に気づいたら、早めに専門医の治療を受けることが望ましい。


 学校でネットとの付き合い方を教育する必要もある。
人との触れ合いやスポーツ、レクリエーションなど、リアルな世界の楽しさを味わうことも大切だろう。


 韓国では16歳未満が深夜にオンラインゲームに接続できない制度をつくるなど、国を挙げて対策を講じている。
今回の結果は現象の一面かもしれず、日本ではまず、詳細な実態調査を進めるべきだ。
そのうえで、専門の医療機関の充実や教育など、総合的に対策を練りたい。

posted by 小だぬき at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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