2013年09月19日

人の尊厳損なう報道=山田健太

月いち!雑誌批評:
人の尊厳損なう報道=山田健太
毎日新聞 2013年09月16日 東京朝刊

 世相を映すのが雑誌の力だ。
その中心は、まさにヒューマンドキュメントにほかならない。
一人の生や死は、まさにそのもっともわかりやすい形だ。

だからといって、興味本位で扱うことで、その人の尊厳を損なうことは許されまい。
それは編集者が最低限わきまえるべき規範のはずだ。


 だが、藤圭子さんの死をめぐっては、テレビ同様、週刊誌もここぞとばかり本人および家族周辺の情報をあぶり出し、書きたてている。

そこには大きく三つの問題があるだろう。

  一つ目は、「自殺報道」のあり方だ。

この点はすでに繰り返し指摘されていることで、世界保健機関(WHO)はメディア向けの自殺報道ガイドラインを作成し、有名人の自殺報道は影響が大きいので「目立つ位置に掲載したり、過剰に報道を繰り返したりしない」などの具体的なルールを示している。
「連鎖」が起きないための防止策であるが、8、9月発行号の各誌の報道がこれらに反することは明らかだ。


 二つ目は、原因について一定の取材には基づいてはいるものの、
結果的には臆測の範囲で故人の病状・人間関係を暴き立てている点だ。


 報道界は近年、自殺の場合は原則匿名とし、有名人をその例外としているに過ぎない。
今回の場合は、母子ともに有名人であるし、その家族も以前より報道の対象であったこともあり、プライバシーで保護される範囲が通常より狭いことは間違いない。
しかし、とりわけ健康状態を含め曖昧な情報を垂れ流すことの罪は大きい。そこには「何を言っても訴えられないだろう」という安心感がありはしないか。


 そして三つ目が、尊厳である。


 「フライデー」9月20日号はモザイクをかけた上ではあるが、転落直後の現場写真を掲載した。
おそらくこの写真は、家族も見ていないものに違いない。
もし、どうしても掲載するのであれば、その意味をきちんと説明できなくてはならないだろう。
それなしに興味本位で掲載すべきものとは考えられない。

「モザイクをかけたから許される」と考えるのであれば、わいせつ表現のそれとは違うことへの理解が、決定的に欠けているといわざるを得ない。
=専修大学教授・言論法

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日は走り去ります
,,,,,,,,,,,,(((( *≧∇)ノノノ
Posted by みゆきん at 2013年09月19日 21:25
今日は走り去ります
,,,,,,,,,,,,(((( *≧∇)ノノノ
Posted by みゆきん at 2013年09月19日 21:27
今日のみゆきんさんのブログ 男ならつい見てしまいますね。写真にとるほど 虚しい行為はないとおもいますが、近くでそのような人がいれば 注目しない方が失礼のような・・・・
Posted by 小だぬき at 2013年09月19日 22:28
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