余録:人類は食べ残しのおかげで
今があるらしい。はるか…
毎日新聞 2013年09月29日 00時33分
人類は食べ残しのおかげで今があるらしい。
はるかな昔、肉食獣の食べ残しから肉や髄(ずい)をこそぐため、石器を加工する技術をおぼえ、高い栄養価をとりこんで立派な体格になったという
▲しかし現代の食べ残し「食料廃棄」は私たちの未来を危うくする。
公開中のドキュメンタリー映画「もったいない!」は欧州、アフリカ、米国、日本で廃棄の実態や背景を追い、問題の根深さを描いている
▲環境への意識が高いはずの欧州も見事な捨てっぷりだ。
フランスのスーパーは賞味期限まで1週間あるヨーグルトなどを次々に廃棄し、
ドイツのパン屋は売れ残りでごみの山を築く。
「大きさが規格をはずれると出荷できない。
収穫の1割以上は捨てる」と憤るドイツのジャガイモ農家。
パリ卸売市場では輸送中に一部が熟しすぎたオレンジ8トンを捨て、担当者は「よくあることだ」と話す
▲国連食糧農業機関によると、世界で生産された食料の3分の1、約13億トンが毎年捨てられる。
このごみの生産には欧州大陸で一番長いロシア・ボルガ川の年間流量の3倍の水を使い、ごみとなった結果、温室効果の大きいメタンガスを大量に放出している
▲食べ物を捨てれば資源と労働力がむだになり、地球温暖化も加速させる。
映画は「先進国で捨てられる食料があれば世界中の飢えた人を3度救える」と語りかける。
私たちは自覚のないまま飢餓(きが)や貧困を助長し、テロの温床を生んでいるようだ
▲それでも救いはある。
この大問題は自らの無力を嘆き、動かぬ国連や政府、大企業に落胆しなくてもいい。
一人一人がきょうから行動を変えれば、解決への一歩が始まるからだ。
2013年09月30日
この記事へのトラックバック
各国が過大な輸入を止める、政治の安定化を図る、新植民地主義のような収奪を止めるだけでも一歩前進と思います。
個々人が できることは、無駄なく美味しく頂き 残債をださないことですね。バイキング方式だと厖大な残債が出てしまう。地球は一つで運命共同体と考えて貧しき所に光があたらねばと思っています。
自然界の動物達は、食物連鎖が成り立ってるけど・・・。
この世の中に、餓死で亡くなる報道には涙が出ます。
私くらいの年代になると 「お金を払って無銭飲食として告発」してもらい 刑務所で食事を保障してもらおう なんて冗談もでる時代です。