うつ病になりやすい9つの癖
2013年10月11日 読売新聞yomi.Dr
(背筋伸ばし「生きることは、死ぬまでこれから」) 先週、
説法というお仕事を今でもやっておられる老師に、毎回ストレスや健康についてお聞きしているのですが、今回は「生きることは、死ぬまでこれから」とおっしゃってから、
「毎日を死に切るといった思いで生きる、背筋を伸ばして座禅を組むということは、いつまでもま〜るくうずくまって考えず、悩んで悩んで考え抜いたら、背筋を伸ばして明日を見る。
私はロダンの考える人、あれが大嫌いでね、居眠り像なら好きになれるんだけど、あれを見ていつまでも考えてばかりいてはダメよ」。最後は冗談で笑わせてくださったのでしょうが、背筋を伸ばすことは、血流がよくなり、腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になり便秘の解消方法としてもよい動作と、予防保健の分野でも推奨していることです。
背筋を伸ばすことはストレスにもよい。
私が卒業したヘルスケアカウンセラーの養成講座で教えてもらった「考え方の癖」は、ロダンの「考える人」ではないですが、何かしらの癖に悩んだり、考えてばかりしている人の癖の分類でした。
中でも、うつ病になりやすい癖(専門的には「自動思考」と呼んでいますが)というのがあって、それに気がつくことと直すことに導くのがカウンセリングだと習いました。
うつ病になりやすい9つの癖
順にあげますと以下になります。
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9つありますが、私は勉強中にウンザリしたのを覚えています。
どれもこれも自分に当てはまるじゃないかと。
どうしたらいいかも書かれてありますが、およそ自信がありませんでした。
カウンセラーが何か言うより、悩んでいる人たちが直接教科書を読んだ方がよっぽどいいのではないかと思ったほどです。
人が人の癖を指摘して、どうすればいいなんて指導はできないと思ったのです。
上の「自動思考」のカウンセリング法のひとつに「認知行動療法」がありますが、癖というのはがんこなものですから、人から言われて直るぐらいなら苦労はしません。
でも、うつ病になってしまっては、苦しいのは本人なのですから、何かしら簡単に自分で出来る方法があれば喜ばれるでしょう。
吉田老師は、座禅の時に板で背中を叩(たた)くのは眠っているのを起こすためではないとおっしゃっていました。
「ありゃ痛くはないのよ」とも。
自分の癖のようなものが脳裏ににじみ出てきて、だんだん下を向いてうずくまってしまいがちな人に、「背筋を伸ばして深呼吸して」と注意を促すためにやっているのだそうです。
背筋を伸ばして深呼吸。
確かに自律神経のバランスを整えるには呼吸法がよいと言われており、科学的な論文も出るようになってきました。
高齢になったらゆったりとした気持ちだろうと思うのは、それこそ「思い込み」であって、高齢者ほど副交感神経の割合が低くなり、見かけとは逆にイライラ度が高い人がいるものです。
自分の思い通りにいかないストレスが心身ともに多くなってきている証拠でしょう。
私の住んでいる町にあるお寺は、人影もなくお坊さんも見えず、閑散と薄暗く、怖くて行けません。
深呼吸をしたり背筋を伸ばしたりする場所を選んではいられないのです。
ということは、自分のデスクで仕事をしている「今でしょ!」になってしまいます。
思いついたら背筋を伸ばす。
排ガスとコンクリートばかりの信号待ちの数秒間でも、背筋を伸ばしてみようかと思い始めました。
9つの癖も悩んでばかりいないで、背筋を伸ばして、死ぬまでこれからと思って生きてみることにしました。