泥んこ遊びをする権利
2013年10月23日 東京新聞:佐藤直子
毎朝、福島市内からマイクロバスに子どもを乗せて隣の山形県まで連れて行き、夕方にまた帰ってくる。
福島市の保育園「たけの子」の代表辺見妙子さん(52)がこの二年、往復を続ける「サテライト保育」だ。
原発事故の後、放射能の影響を気にしながら室内でばかり過ごす保育に苦悩を深めていた。
子どもに泥んこ遊びもさせられない。
田んぼや土手の散歩にも連れていけない。
花や草木の名前も知らないで大きくなっていく。
限界だ。
その年の秋、約五十キロ離れた米沢市の幼稚園を間借りした。
自然の中で再び過ごせるようになり、子どもに笑顔が戻った。
時には福島市や周辺の別の園の子も連れて行く。
二年も散歩していなかった子、ススキやコスモスを知らなかった子。
歓声が上がるたび、原発事故を起こした大人の罪を思う。
園舎の家賃や運転手の手当などにかかる二十万円は寄付に頼るため心配だが、踏ん張る覚悟を決めている。
「子ども・被災者支援法」の基本方針をめぐって先月、福島市内で開かれた説明会で辺見さんは窮状を訴えた。
だが、アリバイを重ねるように事務的な説明に終始する復興庁の人たちに思いは届かなかった。
質問の手がまだ挙がるのを副大臣は時間切れだと制した。
「後はメモにしてください」。
辺見さんは悲しかった。これが苦労を重ねる被災者にかける言葉なのか。子らに恥じない政治といえるのか。
(佐藤直子)
本当に理解しておれば原子力発電所の再稼働なんぞ、
と、云っておれんと思うんですがネ。
哀しい某國でありますなぁ。
箱ものだと成果がみえるけれど、子ども援助や老人・介護・避難者に対する対応があまりにも お粗末。自分の成果として目に見えないからでしょうか。
放射能汚染地に戻れるとの幻想で「被災した方々」を放置するつもりでしょうか・・・。
保育・教育問題も 厚労省・文科省は 知っているハズなのに 対策がない時に限って「現場での工夫」「現場の判断」に丸投げする・・、せめて補助金を出すための税の負担なら納得できるのに。
あーぁ、ですね。