医師の告知って本当に信用できる?
2013.11.03 16:00 NEWSポストセブン
「がんがかなり進行しています。余命は3カ月から半年……」
テレビドラマではおなじみの余命告知シーン。
あなたも自分自身、あるいは両親などの病状について、いつか余命告知を受ける機会があるかもしれません。
もしもの場合、あなたは余命告知をどのように受け止めますか?
また、そもそも余命告知はどれくらいの信ぴょう性があるのでしょうか?
医師、医学博士の岡本裕氏の著書『医者が教える 本当に病気を治す医者の選び方』をもとに、余命告知の実態についてお届けしたいと思います。
岡本氏によれば、余命告知は天気予報よりも当てにならないとのこと。
専門家であるお医者さんから告知を受けると、その瞬間から命のカウントダウンが始まったかのように感じられますが、実はそれほど信用できるデータではないのだそうです。
そもそも「余命〜カ月」というのは、どのような根拠があるのでしょうか?
岡本氏は著書でこう述べています。
「医者はマニュアルにあるとおりに余命のデータを告げているだけなのですが、そのマニュアルそのものが、かなりいい加減なのです。
どうしてかというと、マニュアルに書かれているのは3大療法だけを受けた人のデータで、素直に医者のすすめに従った人たちのことしか載っていないからです」
3大療法というのは、外科手術、抗がん剤、放射線治療の3つ。
これら3大療法は、がんの治療に必要であるものの、患者がどれくらいの期間、生存できるのかというのは、患者の自助努力によっても大きく左右されます。
さらに岡本氏はこう続けます。
「たとえば、私のまわりにいるがんからの生還者たちは、医者からさじを投げられながら、自助努力で生還を果たした人たちです。
医者のもっているマニュアルには、この人たちのことはまったく載っていません。
(中略)こういう人たちのことをまったく無視した統計は、これからがんを治そうとしている人にとっては無意味でしょう」
つまり、医者まかせにせず、患者自身が生活習慣や生活環境を見直すなどして、自己治癒力を高めていくことで、「余命3カ月」と告げられた人が10年後もぴんぴんしているなんてことは十分ありうるのです。
余命告知がなされた場合、病状が深刻であることはたしかです。
どんなに本人や家族が努力しても、体質や年齢、病気の進行具合、その他さまざまな条件が重なって、延命を果たせないこともあるでしょう。
ただし、医者は神様ではありません。「余命は3カ月」といった告知がなされても、「3か月以内にあなたは死ぬ運命です」というお告げではなく、例外はいくらでもある、ということをぜひ覚えておきましょう。
余命告知の後、病気を克服した人や、大幅に生きながらえた人の体験談などが参考になるかもしれません。
何よりもよくないのは、余命告知を受けた途端、「自分はもうダメだ」と絶望してしまうこと。
生きる気力を失っては、余計に死期を早めてしまいます。