2013年11月15日

どうすれば安全安心:実は怖い、冬の静電気 

どうすれば安全安心:
実は怖い、冬の静電気 
         火災やアレルギーを誘発
毎日新聞 2013年11月14日 東京夕刊

◇金属触る前に革製品を/
重ね着素材には要注意/特殊素材の靴にも効果


 ドアノブに車のドアハンドル……。
金属に触れるのがイヤな季節がまたやって来た。
そう、バチンとするあの静電気だ。
たかが、と侮るなかれ。
痛いだけならまだしも、時によっては思わぬ災難を招くことがある。
冬本番を前に、専門家に静電気対策の伝授を請うた。
                          【吉井理記】


 分かっているようで実はよく分からない静電気。
その正体をおさらいしておこう。

独立行政法人「労働安全衛生総合研究所」の山隈瑞樹・上席研究員によると、どんな物体も基本的には電気のプラス、マイナスのバランスが保たれている。
しかし、衣服と車のシートなど物体同士がこすれてバランスに偏り(帯電)ができると静電気が生じる。


 帯電した服を着れば人体も同様に帯電する。

指先がドアノブに触れるとバチッと火花が発生するのは、プラス、マイナスのバランスを取り戻そうとドアノブと指先との間で電気が一気に流れるためだ。

夏は電気を逃がしやすい湿気が多く、人体も物体も電気をため込むことは少ないが、冬は乾燥しているから電気が逃げず、体にたまってしまうのだ。

「静電気の電圧は3000ボルト以上に上ります。けれど100万分の1秒以内の出来事で電気の量も少なく、体に直接の悪影響を与えることはありません」(山隈さん)


 ならば大丈夫、と安心した記者を見透かすように山隈さんはこう続けるのだ。
「ところが、この火花が思いもよらない事故を引き起こすことがあるのです」


 まず給油の際の火災だ。

総務省消防庁によると静電気の火花が原因のガソリンスタンド火災は昨年1年間で5件。
車やバイクのガソリンタンクのキャップを外すと、気化したガソリンに、指先などが車のボディーに触れて発生した火花が引火し、燃え上がるのだ。

セルフ式スタンドでは体の電気を逃がす「静電気除去シート」に1秒以上、手を触れ、すぐに給油作業を始めるよう注意を促している。

しかし過去には除去シートに触れた後にすぐに給油せず、車内のごみを片付けるなどして再び静電気をためてしまい、引火事故を招いたケースがあるから要注意だ。

室内にも危険が潜んでいる。
「多いのが噴射剤に可燃性ガスを使ったスプレー缶による事故です。

洗面所やクラブ活動用の部室といった風通しの悪い室内で長時間スプレーを使ったためにガスが充満し、静電気で引火する事故が発生しています」。

1999年2月には福岡県で、男性がベランダで携帯コンロ用ガスボンベのガスを抜く作業中、静電気によると見られる火花で爆発し近くにいた妻が死亡する事故が起きている。


 こうした重大事故はまれだとしても、静電気に驚いて転倒するケースもあるから気を付けたい。


 「体に直接の悪影響はない」と先に書いたが、間接的に災いをなす恐れはある。

日用品メーカー「ライオン」で静電気対策を研究する山縣義文さんは「帯電させた下敷きに髪の毛がくっつく現象と同じように、静電気は空気中の微粒子を体や衣服に吸着させてしまうのです」と話す。

静電気を帯びていれば、アトピー性皮膚炎に害があるとされるハウスダストはもちろん、花粉も引き寄せてしまうため、アレルギー体質の人は症状をさらに悪化させかねないのだ。

中国から日本への飛来が増えているPM2・5(微小粒子状物質)も含有物によっては帯電した物体に吸着されやすいという。
発がん性も指摘されるだけに心配だ。


 では、静電気のリスクにどう立ち向かうべきか。
山隈さんに問うと
「完全な対策はないのです。
生活していれば必ず何らかの摩擦が起き、電気が発生する。
ポイントは電気をためこまない、または火花を出さないよう、ゆっくり電気を逃がしてやることに尽きます」と話す。


 例えば、ドアノブなどの金属に触れる直前に地面やコンクリート、木の壁に手を触れるか、財布やキーケースなどの革製品を1秒ほどドアノブに接触させると電気をゆっくり逃がすことができ、火花は生じない。

車に乗っている時も衣服とシートの摩擦で静電気がたまる。
降りる際にドアの金属部分に触れながらシートを離れれば、体の電気を車に流すことができるそうだ。


 衣服の組み合わせによっても静電気は減らせる。
「マイナスに帯電しやすいアクリルやポリエステルの服に、プラスに帯電しやすいナイロンやウールといった素材のものを重ね着すると静電気が発生しやすい。
どちらか一方だけにするか、帯電しにくい綿や麻を合わせるのが効果的です。
衣服のタグについている素材に注意してください」。
山縣さんはそうアドバイスする。

洗濯時に柔軟剤を使ったり、出かける前に静電気防止スプレーを衣服に吹きかけたりすれば、繊維同士の摩擦が軽減でき、空気中の水分を捕まえる成分も配合されているから効果がある。

結果的に花粉やハウスダストの吸着も防げるが、山縣さんによると「PM2・5にはさまざまな物質があり、効果があるかどうか実験と研究を進めている段階」とのこと。


 インターネット上には静電気をため込まないための健康法や食品も紹介されているが、山隈さんは「専門家の立場から言えば非科学的。

『自分は人より静電気がたまりやすい』と言う人がいますが、体質は無関係です。
静電気の原因は人体そのものではなく、その人が着ている衣服に由来するからです」とバッサリ。

静電気対策グッズについては「効果的なのは電気を通しやすい特殊素材を靴底に使った『静電靴』や、高級紳士靴のように革を底に張った靴。
体の電気を地面に逃がすことができます。
ドアノブに当てて体の電気を抜く器具などもお薦めですが、中には科学的根拠に疑問符が付くようなグッズもあります」と語る。


 春まで続く静電気シーズン、快適かつ安全に過ごしたい。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(5) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
小だぬきさまの記事で
帯電防止のブレスレットを思いだし^^
いま、さがしました
シーズンが終わるとどおしてもしまい込んじゃって^^
ジムは金属類が多いのであの不愉快なバチンが起きるんですね
思いださせてくださってありがとうございました☆
きょう、ジムに着けていきます^^
Posted by キッツCat at 2013年11月15日 06:24
お役に立ち 嬉しいです。
実は 昨日の帰宅時 ドアのぶで静電気で痛い目にあい 記事を思い出したので記事を引用しました。
お互いに 被害にあわないようにしたいですね。
ジムにつけていくとのこと、なにごともなくいい1日にしてくださいね。
Posted by 小だぬき at 2013年11月15日 08:36
セルフ式のガソリン給油の恐ろしさはあまり知られていませんね。ちょっと暖かい日だとガソリンは気化していますから危険です。危険物ですから。
セルフ式が許可になるときに石油販売業者はこぞって反対しました。自己防衛のためだと思われましたが、違います。業者は免許を取って、定期的に講習を受けています。ユニフォームも静電気が起きにくい素材でできています。
特に女性の服は静電気が起きやすいので注意が必要です。
規制緩和、命にかかわるものは緩和すべきじゃありません。
したっけ。
Posted by 都月満夫 at 2013年11月15日 14:04
歩く静電気女です
嫌な季節だわ
通り過ぎる人とも、バチッってなります。
乾燥女か?笑
Posted by みゆきん at 2013年11月15日 15:10
都月さんへ
私も これほど「静電気」が危険だとは知りませんでした。ガソリンや灯油なども注意が必要なのですね。薬などもそうですが、規制緩和してはいけないものも 生命・安全には多くありそうです。
民間活力といいながら「民営」にしたら杜撰な安全管理のJRや原子力発電所事故、偽装食品・・。
ある程度の情報は、マスコミで事前に公表してほしいですね。これからも。

みゆきんさんへ
車のガソリン入れ、怖いな・・・。
美人の近くを歩きたい人が多いから 他の人が静電気をだしているのですよ。
雪が静電気で溶けてくれるなら 出しつづけたいよね。
Posted by 小だぬき at 2013年11月15日 17:42
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