2013年12月26日

PKO武器提供 銃弾で平和は得られない

PKO武器提供 
      
銃弾で平和は得られない
新潟日報モア【社説】
2013/12/25 08:57

 人を殺傷できる銃弾の提供が、平和に寄与する活動といえるのだろうか。到底容認できない。

 安倍政権は、内戦の危機にある南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊の銃弾を、国連経由で現地の韓国軍に供与することを決めた。

 1万発の銃弾が無償譲渡される。
他国の軍に日本が武器を提供するのは初めてのことだ。
要請を受けた翌日に国家安全保障会議(NSC)で即決したのには、驚くほかない。

 武器輸出三原則に抵触するはずだが、緊急性や人道性が高いとして、菅義偉官房長官が三原則の「例外」とする談話を出した。

 安倍晋三首相が掲げる「積極的平和主義」とは、軍事行動に加担することを意味するのか。

三原則を見直すため、既成事実を積み重ねる行動に出たとも考えられよう。

 PKO協力法は25条で、他国への物資協力を定めてはいる。
だが、歴代の政権はPKOでの武器の譲渡は否定してきたのだ。

 人道的な国際機関は、その活動のために「武器や弾薬を必要とすることは万が一つにもない」とし、「仮に要請があっても断る」と政府は答弁してきた。重い言葉だ。

 安倍政権は十分な議論もなく、「例外」や「緊急性」を強調して、従来の政府方針からの転換をNSCで即断したのである。
もっと明確な説明を求めたい。

 南スーダンは長い内戦を経て、2011年にスーダンから分離独立した。
PKOの目的は、新しい国の安定と国造りへの支援のはずだ。

 日本は12年1月から、部隊派遣が本格化し、約400人が首都ジュバで、道路や滑走路などのインフラ整備に当たっている。

 しかし、国内の政情は不安で、今月に入って大統領派と前副大統領派の武力衝突が起きた。
治安が悪化していることは否めない。

 韓国国防省も日本からの銃弾提供は「万が一の事態に備えた」と述べているが、メディアは安倍政権の「積極的平和主義」を正当化するとの警戒感を示している。

 今回の武器支援で、あつれきが生じている日韓関係の改善につなげたいという首相の思惑があるのなら、本末転倒ではないか。

 NSCの設置、それに伴う特定秘密保護法の公布、「国家安全保障戦略」の決定と、安倍政権は保守的な政策を力ずくで押し進めている。

 その先にあるのが武器輸出三原則の見直しであり、集団的自衛権の行使容認まで見据えているのは明らかだ。
今回の武器支援も独走的な政策展開の一環に映る。

 主権者である国民の代表、国会が武力の問題を統制する文民統制(シビリアンコントロール)は民主主義の大原則だ。
これが形骸化するという批判が出るのは当然だろう。

 「例外」を前例とするのは、決して許されることではない。
武器の輸出、提供がなし崩し的に広がることが危惧されよう。

 国際貢献という意味を、首相は自らに問い直してほしい。
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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