鳥大研究グループが手法発見
2014年1月31日 日本海新聞
鳥取大学医学部の三浦典正准教授(54)=薬物治療学=の研究グループは30日までに、細胞内に存在して生命活動を制御する小分子リボ核酸(RNA)「マイクロRNA」の一種を悪性度の高いがん細胞に入れると、がん細胞が正常な細胞に変化することを発見した。
抗がん剤が効かない末期がん患者に対して有効な治療になる可能性がある。
24日付の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版で発表した。
三浦准教授は長年、生命活動のためにデオキシリボ核酸(DNA)から発生するマイクロRNAを研究し、5年前からはマイクロRNAの一種の「520d」の働きを調べてきた。
人間の肝臓がんの細胞をマウスの体内に入れると、通常ならがんになるが、事前に520dを細胞内に導入した肝がん細胞だと悪性腫瘍にはならず、人工多能性幹細胞(iPS細胞)や正常な細胞になることを確認した。
悪性度が高い「未分化型」のがん細胞でその作用が現れるのが特長という。
実用化のためには、体内に入れるとすぐに無くなってしまう性質があるマイクロRNAを、がん細胞に届くまで無くならないように保護する方法を確立する必要がある。
三浦准教授は「抗がん剤が効かないがんの治療に成果が生かせると期待している。
患者さんに使えるように研究を続けたい」と話している。
1日も早く 実用化の難問を解決して欲しいです。