カウンセラーという職業に就く決意
2014年2月28日 読売新聞 yomiDr.
(なぜ日本では心理職が国家資格にならない?)
読者の方から、ブログの内容が健康ネタではないというご意見がありました。
ブログのタイトルは「石井苗子の健康術」ですが、日頃、心身に関することについて自分が感じることを書いています。
私はご依頼があればカウンセリングをやる時もありますが、それだけを専門に仕事をしている人間ではありません。
なので、このブログはカウンセリングにかかわるテーマだけではなくて、震災支援活動も含めて、日々の暮らしの中で私が感じる「心の気付き」を健康に関連づけて書くことにしています。
医療心理士の方たちとは、都内の病院で毎週ご一緒していますが、臨床心理士も医療心理士も国家資格でないことが、最近ますます問題になってきているように感じます。
専門講座の認定を受けたカウンセラーとの差別化もあいまいになってしまいます。
医療心理士の資格試験を受けるには指定大学の大学院を卒業していることが条件にあったりして、とても厳しい分野です。
医師は条件なしに受験ができますが、看護系の大学やその他の保健学系列や健康学系列の博士号を持っている人でも、それだけでは受験資格はもらえません。
指定大学の心理学部の修士を修了していることや、その他の学会的な条件が必要なのです。
ここまで厳しくても、国家資格にならないのはどうしてなのか。
この10年以上、国家資格取得にむけて国会に意見提出をする運動を続けていらっしゃる教授も知っていますが、まだ最終的な結論にいたっていません。
私は病院で性格検査の採点のお手伝いをさせていただく時、ふと不思議に思うことがあります。
それは、患者さまは医師から性格検査を「宿題」と言われて渡されても抵抗されないのですが、本来なら内科の医師から性格検査を勧められるより、心理の専門家から心理テストのどれをやるべきか等を、説明と解説付きで丁寧に教えてもらいたくはないのでしょうか。
日本は専門職に対する尊敬の念が強い国ですが、心理テストについては、「心理の専門家でもない医師から、なんで私の性格のあれこれをテストの結果から言われなくてはならないのですか」と、直接質問した人を、私は、一度も見たことがありません。
カウンセラーの資格も取得している医師の方ならなおさらのことですが、自分の心理面にまで気にかけてくださっていて、「ありがたい」と感じていらっしゃるように見えます。
治療を受ける側としては、主治医の意見が一番だという気持ちが働くからだと思います。
また、どのカウンセラーに付きたいかという点についてですが、これも受診する側の気持ちと一致したカウンセラーを望むという姿勢が大変強いと思います。
ちょっと風邪をひいただけだ、3分治療の医師でもいいから早く風邪薬を下さいとおっしゃる患者さんが時々いらっしゃいますが、カウンセリングはそうはいきません。
またカウンセリングの治療は自由意思ですから、医師から勧められてもお断りになる方もいらっしゃいます。別料金がかかることに納得されない様子なのです。
カウンセラーにも個性がいろいろありますから、それぞれ自分のことをよく知っていないといけません。
性格検査はまず自分が最初にやっておくべきかもしれません。
この10年で医療ミスの訴訟問題が世間に認知されてきましたが、心の問題でカウンセラーを訴えるなんてことになると、治療のミスのようにどこの時点で問題があったかについての境界線が難しくなります。
精神科医の医師についても同じことが言えるかもしれません。
世の中、簡単な職業なんてどこにもないでしょうが、心の治療を専門とする分野で働く人間は、何を言われても仕方のない出来ごとに遭遇する仕事だといった決意がある程度は必要でしょう。
弟は臨床心理士
国家試験
総合病院の心理士だけど、それはただのカウンセラーだったのか〜
知らなかった(ーー;)
ただ 脳の不思議と心は まだまだ未知の分野が多いです。かろうじてわかっているのは、おぞましい日本の731石井部隊やナチスなどでの 人体生体実験での「反応」の部分だけのようです。
あとは 仮説に基づいての経験則の積み上げしかないようです。
弟さんは 患者の相談役として貴重なお仕事をしているのですね。