2014年04月06日

教科書 複眼的思考力を養おう

社説:教科書 
複眼的思考力を養おう
毎日新聞 2014年04月05日 02時32分

 薄くて地味、といった昔のイメージは今の教科書にはあてはまらないだろう。

小学校で来春から使われる今回の検定教科書はますます厚くなり、写真、イラスト、図解などで彩り豊かだ。

だが、肝心なのは教科書の体裁より、どう生かすかだ。
よくいわれる「教科書『を』教えるのではなく、教科書『で』教える」ことが問われている。

 学校教育の基準とされる現行学習指導要領は、学力低下論を背景に脱「ゆとり」の方向にかじを切ったもので、学習内容を増やした。
ページ数で見ると、小学校では初回の検定(2009年度)で25%、2回目の今回はさらに9%厚くなった。

  しかし授業時間が比例して増えはしない。
そうした中で教科書を活用するとは記載をすべて消化することではなく、子供の学習進度などを見ながら、授業の組み立てや目標に即して内容に選択や強弱を工夫することにほかならない。
簡単ではない。

 また、全教科を通じて討論や意見発表などの言語活動を活発にし、その力を伸ばすという学習指導要領の基本方針から、話し合いやノートの取り方、自分の意見と他人の意見の違いの整理、調べ学習の方法などを細かに例示した。

 また新聞記事の読み比べや、東日本大震災をめぐるさまざまな政治や社会の動きなど、同時代的テーマも工夫されている。

 近年注目され、日本の学校教育にも反映されつつある経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(PISA)で見る読解力や数学的、科学的活用力。

それは学校の教科別知識ではなく、教科の枠を超え、日常生活にも結びつくものだ。

 言語活動はその一環と位置づけられるが、厚い教科書をその活発化に生かしたい。

 今回の検定では社会科を扱った全社が「領土問題」を記述した。
尖閣諸島に対し「中国が領有を主張しています」と記す教科書もあるなど客観的だが、小学校段階では簡略だ。

 今後、言語活動の比重が増す中学、高校で、お仕着せではなく、歴史や世界に関心を広げて複眼的で掘り下げた論議、思考にもつながる教科書の記述や学習になるかが肝心だ。

 団塊の世代の退職と入れ替わるように、学校では若い先生の割合が高まった。

教科書会社によると、授業の進め方がわかりやすい教科書を求める声もあるという。

 しかし、教科書の活用については実践の中で工夫され、それが経験の浅い若い世代にも伝えられ、共有されることが重要だ。

そしていずれ、教材がもっと多様化し、検定教科書も唯一の存在ではなく「主たる教材の一つ」となるのが望ましい。
posted by 小だぬき at 17:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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