石井苗子の健康術
自分の体と相談して食べる
2014年4月8日 読売新聞yomiDr.
(ストイックな食事法って本当に体にいいのでしょうか?)
「アナタの体は、アナタが今まで何を食べてきたか、今何を食べているかで作られている」 こんなビーガン料理レストランの案内を道で渡されました。
確かに食物アレルギーがある人は、食べ物に気をつけるべきでしょう。
そばアレルギーだと知らずに仲間と「ざるそば」を食べたら、呼吸困難になるということもありえます。
以前、そば屋さんでたぬきそばの天かすにエビがまざっていたので苦しくなったという人とご一緒したことがありましたが、天かすの中のエビにも気をつけなくてはならないんだと、アレルギー反応の怖さに驚きました。
自分の食物アレルギーを知らないことは恐ろしいことです。
少しずつ慣らしていくという治療法もありますが、細心の注意を払わなければなりません。
こんな飽食の時代です。代用する食べ物があるならば、アレルギーを起こすものを避ければいいと思いますが、たとえば卵なんて色々な食品に入っているので、いちいち気にしなければならないなんて本当にストレスフルな食生活だと思います。
アレルギーとは無関係に、宗教的にある種の動物を神聖な物として食さない人たちもいますし、ベジタリアン、マクロビオティックなど個人の考え方で食生活を決めている人もいます。
私の友人でビーガン料理しか食べない女性がいるのですが、動物に関するものは一切食べないという主義ですので、かつおだしのみそ汁もダメなら、卵も牛乳も食べない。ヨーグルトもダメ、パン類に卵が入っていたら食べない。
雑穀、白米、そば、うどん、餅、野菜や豆腐が中心ですから炭水化物が多くなります。
お酒はどうかといえばワインは全くかまわないし日本酒もOKとなります。
植物オイルで揚げたポテトチップスはいくらでも食べていいわけです。
「太らない?」とたずねると、「太っている人もいる」ということ。
「偏食とどこが違うんだろう」と私は疑問に思ったのですが、安全な野菜をたくさん食べるようになったので、肉を食べていたころに比べると体の調子が信じられないほど改善されたそうです。
彼女が動物に関するものを一切食さない理由は、「生き物を人間の食事のために殺さない」という思想的な考え方が入っているようで、食べ物に限らず私生活でも「動物愛護」のボランティア活動を行うなど食生活と生き方が連携して徹底しています。
しかし一緒にレストランに入ると「これ大丈夫?これなら食べられる?」と、私たちも巻き込まれてしまいます。
最初からビーガンレストランに行くのが一番良いのでしょうがまだお店の数が少なくて、フラッと歩きながら見つけて入るってことはできません。
あと、お値段が高くて量が少ない。
これは私が大食いゆえの不満かもしれませんが、小鉢のようなお皿に入った野菜の豆乳グラタンが1180円、シイタケと昆布だしのつゆで食べる稲庭うどんが少量で1000円。
東京という場所がらかもしれませんが、やせるのは高くて少量のものを食べているからなんじゃないかと思ったぐらいです。
日本はビーガンレストランがどこにでもあるという状態ではありませんから、私の友人は、自宅でビーガン料理を工夫して(たとえば豆腐でつくる酢豚料理など)作るのが楽しくてたまらないそうです。
そして体はデトックスされていくように快調になっていくとおっしゃる。
一方で、私の周辺の男性に最近人気なのは、「糖質制限ダイエット」。
こちらはビーガンと正反対で、炭水化物カットです。
肉と野菜ばかり。日本酒もダメです。
白米、雑穀類、そば、うどん、パスタ、パン、ケーキ類、砂糖がふんだんに使われているお菓子やスイーツ、もちろんせんべい、カリントウ類もすべて食べない。
とにかく肉料理、野菜、果物ばかりの生活なのですが、10キロやせたという男性もいます。
単純にビールや日本酒をやめたからじゃないかと私は思うのですが、ワインは飲んでよいそうです。
上記の方々の特徴は、突然「今日から始める」といった風にストイックに食生活の変化を開始する点にあります。
たばこは心理的に今日からやめるということも可能な嗜好品なのですが、食べ物はどうでしょう。
やせたい一心でとか、「糖尿病予防」に真剣に取り組むという考え方もあるでしょうが、私のように、おにぎり・そば・すし・うなぎが大好きな人間は、糖質制限ダイエットをすると人生の楽しみがどこかにいってしまったような生活になってしまうのではないでしょうか。
それでもやせたい一心で挑戦したことがありますが、やせるより先にものすごい頭痛に襲われました。
インストラクターによれば、これまでいかに炭水化物に頼ってきていたかの証拠ですと言われ、その頭痛が取れたら体がスッキリしますとアドバイスされましたが、泣きたくなるほど豆大福が食べたくなってしまい途中で挫折しました。
最近、昼間の時間帯のテレビをつけると「女性に人気のレストラン」といった番組が大はやりですが、どれをみてもカロリーは高そうなものばかり。
私もかつては、「体によい食べ物講演会」を何度もやりましたが、集まるのは高齢者が多かったのです。
私の指導教官によりますと「高齢者は何を食べたら体が丈夫になるということはない、むしろ何を食べないかを考えた方がいい。
私が心配しているのは子供たちの食生活の改善」だそうで、なんとなく高齢者にとって夢がないアドバイスだなと思いました。
私は時々食生活を変えてみるのは、人生の中で何回かあって良いことだと思っています。
高齢者は何を食べてももう関係ないではあまりにもさびしい意見です。
お腹なかがすいたら好きな物を「少量」食べるのは、年齢に関係なく良いことでしょうが、それよりお腹がすく前に時間が来たからとにかく食べるとか、空腹を無理に我慢して仕事するといったような習慣から直していくこと。
とにかく食べたいものを自分で作ること。
これが食事の健康法だと思います。
現代人の食生活は自分のライフスタイルに合わせて食べる時間を工夫する必要があるでしょう。
ある程度いつも空腹にしておくことは必要でしょうが、空腹すぎるのも、満腹すぎるのも、食事にこだわりを持ちすぎるのも、健康的とはいえないと私は思います。
まず、自分で台所に立って食べたいものを作る。
特に男性はそこから始めるのがいいのではないでしょうか。
このごろは女性もあまり食事を作らないそうですから両者とも、まず料理をしてから自分の体と相談してみましょう。
食べなくても太る人はカロリーの高いの食べてるのよね
私は1キロの減量は1日で直ぐよ(≧m≦)ぷっ!
果物、生野菜に拘るのは こんな日常を自分なりに正したいなどと・・・思う日々です。
私は 不規則な食事と食べなくても なぜか日々 お腹と体重が増え続けています。
お二人を見習って 少しは食事に気をつけたいと思います。
私は胆嚢手術で54キログラムで入院して 68キログラムで退院。病院から ギネスに乗るのでは・・といわれた「間食大魔王」・・。
石井さんとは、同学齢なのに彼女の頑張りに頭が下がります。