記者も体験! 「PTA役員改選」
言い訳合戦と上手な断り方
2014.4.22 日刊ゲンダイ
「妻が重い病気で…」に教室中が失笑
正直なところ誰もやりたくないが、いつか一度は回ってくる。
今年もそんなPTA役員の改選の季節がやってきた。
先日、日刊ゲンダイ本紙記者(40代・男)も参加してきた。
そこで目を疑う事態に……。
先日、長女が通う小学校の保護者会に呼び出された。
新任クラスの担当教諭の自己紹介、今年度の学校行事の説明のあと、ガラリ空気が一変した。 役員の改選である。
公立学校のPTA役員は、学校ごとに改選の時期は違うが、主に今のような新年度4月と、前年度の1〜2月に行われることが多い。
私の長女のクラスの場合、本部委員や学年委員があるから、ざっと父母の頭数を数えて5人に1人が該当する感じだ。
司会係(前年委員)が、自己推薦を呼びかけた。
教室中を重苦しい雰囲気が包む。
誰も手を挙げない。
他薦となる。
しかし、ここで「責任感のある佐藤さんがよろしいと思います」などと言ったら、私は一生、佐藤さんに恨まれる気がする。
やはり抽選になったのだが、その前に「免除してください」という人たちが、辞退理由を述べる。
そこで記者は、その辞退理由に耳を疑った。
「え〜、私は医師をしております。実は妻が重い病気にかかっており(病名は不明)、とてもPTAの任には堪えられないと診断しました。誠に残念ながら、ご辞退申し上げます」
周囲の父母たちの視線は宙をさまよう。
よく見かける元気な奥さんなのに……。
「ならば、あなたがやれば」という思いもあるが、そこは世間知らずな医者のこと。
これでも立派に断っているつもりなのだろう。
だが、役員をやりたくないのは誰もが同じだ。
定例会のほか、学校行事、先生の慰労会のたびに呼び出され、近所で事件でもあれば、「防犯パトロール」もやらされる。
何人かが、「共働きなので辞退させてほしい」「主人の転勤が決まりそうなので……」と言い始めたが、すべて却下。
今の時代、共働きの方が多いし、転勤は決まってから言えばいいのだ。
反対に「妊娠中」「シングルマザー」「自宅で両親を介護している」は、ほぼ辞退が認められるケース。
一方、「1年生のときにやった」は認められるか微妙だ。
「市川市は少子化のために児童数が少ない。
多い人は中学に上がるまでに3回はやらされます」
こういうのは、30代のヤクルトレディーだ。
話は記者の保護者会に戻るが、結局は厳正な“じゃんけん”で決めることになった。
だが、じゃんけんには必勝法がある。
桜美林大学の芳沢光雄教授(数学者)が1万回以上のじゃけんを調査したところ、
「グー」は35.0%、
「パー」が33.3%、
「チョキ」が31.7%となった。
つまり、「パー」を出せば、勝率はちょっと上昇する。
その結果は……。見事に勝利。PTA役員は、来年度以降になった。
良かったね、とりあえず回避できてd(^-^)ネ!
PTA役員は、クラス役員より 3役・執行部に入る方が任は軽いです(学校によって違うのでしようが)。