どうすれば安全安心:
年間約10万人、突然死を防ぐには
「予兆」見逃さず病院へ
毎日新聞 2014年05月08日 東京夕刊
◇ふらつき、息切れ、腹痛/
危険な不整脈をチェック/
動脈硬化の要因減らす
歌手の安西マリアさん、レスリングの吉田沙保里選手の父栄勝(えいかつ)さん、元ハイ・ファイ・セットの山本俊彦さん〓〓。
それまで元気に活躍していた有名人の急死が相次いでいる。
年間約10万人、1日約270人が突然死しているとの報告もあり人ごとではない。
一刻も早く異変に気づくには?(医療ライター・福島安紀)
突然死は、医学的には「病気の症状が出てから24時間以内の予期しない死」と定義される。
日本不整脈学会によると、突然死した年間約10万人のうち約6割は心臓の異常が引き金だ。
3月に亡くなった安西マリアさん(享年60)の死因は心筋梗塞(こうそく)、
山本俊彦さん(享年67)は虚血性心不全だった。
2011年にはサッカー元日本代表の松田直樹さん(享年34)が心筋梗塞で亡くなっている。
「心臓突然死のほとんどが、心筋梗塞や虚血性心不全を含む虚血性心疾患によるものです。
虚血とは、動脈硬化などにより心臓の筋肉への血流量が減り酸素不足に陥った状態で、心筋の一部が壊死(えし)していれば心筋梗塞と診断されます。
虚血性心疾患で最も怖いのが『心室細動』と呼ばれる不整脈を合併することです。
心室細動を起こすと、発症後数分で心臓が止まり死に至ります」。
帝京大学医学部付属病院循環器内科教授の一色高明さんが説明する。
心筋梗塞は心臓を取り囲む冠動脈が急に詰まって起こる。
「中には前触れとして、胸が圧迫されるような痛みがしばらく続く人がいます。
時間がたってから完全に冠動脈が詰まる恐れがあるので、いったん治まったとしても、すぐに循環器科のある病院へ行きましょう」と一色さんは話す。
心臓は左上の図のように四つの部屋に分かれているが、心室細動は右心室か左心室が1分間に200回以上の異常な速さで脈打ち心臓が収縮しなくなった状態だ。
脳や全身に血液が流れず、すぐに心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)で救命処置をしない限り命を落とす。
もともと心臓病だった人だけではなく、普段元気な人にも起こるのが怖い。
予兆はあるのか。
「一瞬ふらついたり、数秒間、意識を失ったりした経験が一度でもあれば心室細動の前触れの可能性があります。
突然死した家族がいる人や心電図を受けたことがない人は一度、検査を受けてみてください。
肥大型心筋症や、先天的な病気であるブルガダ症候群、QT延長症候群など心室細動につながる特殊な病気が見つかるかもしれません」
ところで、安西マリアさんは胃の痛みを訴えていたとの報道がある。
「右側の冠動脈が詰まったときには腹部に痛みを感じることがあります。
特に、喫煙習慣、高血圧、高脂血症、糖尿病、家族に心筋梗塞や脳梗塞を起こした人がいる場合は、胃の内視鏡検査で異常がなければ念のため心臓の検査も受けたほうがいい。
また、心臓の弁に異常が起こる弁膜症のせいで息切れが起こっているのに、単なる加齢によるものと勘違いしているうちに急に倒れることもあるので要注意です」(一色さん)。
「年のせい」と思っていたひどい息切れが突然死の予兆かもしれない。
一方、昨年末、歌手で音楽プロデューサーの大滝詠一さん(享年65)の急死の原因となったのは、心臓から全身へ血液を運ぶ大動脈が突然裂ける解離性動脈瘤(りゅう)だった。
心臓に近い部分が裂けると突然死する危険が高い。
「この病気にはほとんど予兆がなく、裂けた場所によっては緊急手術が必要になる。
50〜60代の高血圧の人に起こりやすいので、減塩と薬物治療による血圧のコントロールが大切です」(同)
心臓病の次に突然死の要因になりやすいのが脳卒中だ。
レスリング女子の全日本コーチだった吉田栄勝さん(享年61)は運転中、脳卒中の一種のくも膜下出血に襲われた。
脳を覆うくも膜と軟膜の間にある動脈瘤が突然破裂して起こる。
「経験したことのない激しい頭痛が起こったら、くも膜下出血の初期症状かもしれません」と、東京慈恵会医科大学付属病院神経内科教授の井口保之さん。
また、高齢化の進展で増えているのが脳の血管が詰まる脳梗塞。
「医学の進歩で脳梗塞による突然死はまれであるものの、意識を失ったまま長期間入院して亡くなったり、後遺症が残ったりするのが怖いところです。
特に、心臓の心室ではなく心房がけいれんを起こす『心房細動』と呼ばれる不整脈によってできた血栓(血の塊)が、脳の血管に詰まって起こる脳梗塞は重症化しやすく危険です。
手首に指を当てて脈を測ってみて1〜2拍飛ぶようなら、心房細動の予兆かもしれないので検査を受けてほしい」と井口さんは語る。
首相在任中の2000年にこのタイプの脳梗塞で倒れた小渕恵三さん(享年62)は、発症から1カ月半後に帰らぬ人となった。
そういった不整脈以外に脳梗塞では、「からだの片側がしびれ、手足に力が入らない」といった上の表のような前触れが出る場合がある。
こういった前兆は一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれ、いったん治まっても48時間以内に脳梗塞を起こす危険性が高い。
小渕元首相も、急に言葉が出なくなる前兆が表れていたとされる。
突然死を起こす病気の中には、残念ながら前兆のないケースがある。
「月並みかもしれませんが、喫煙習慣、高血圧、糖尿病といった動脈硬化の要因を減らし、検査で危険な不整脈を早く見つけることが大事です。
無理や過労も禁物です」と井口さんは話す。
心臓病の一番の要因は、やはり生活習慣ですよね。
塩分をひかえてほんとにバランスの良い食事、と適度な運動、良質な睡眠・・・体験から解かります。でも病気をしますとそこから沢山勉強しますのでよい?のかな?
急死は避けたいですものね。
いつもよい問題提起ありがとうございます。
mimiさん、みゆきさん 今日の通院で検査がそろい、年金生活でも 生活習慣病になることを証明してしまいました。
たぶん コーヒーなどの飲料からの糖分取りすぎと好きなナッツの塩分過多のためとの診断。
ダルさや眠気、足のむくみなども うつ病た゜けではないのでは・・・、と さっそく缶コーヒー禁止、塩分の多い食品禁止、肉もヒレに、野菜中心にとの 禁止事項が増えてしまいました。
内科の主治医が 私の延長申請(夕飯・朝食・デザートまで食べていたので)を 強引にムシして血液と尿検査をした「糖尿病」認定です。
私は 通院のたびの「血液検査」をお願いし帰宅しました。糖が国際新基準より0.2数値が大きかっただけ。
でも上限値であるのも確かなので Ms mimiさんの言葉に素直に1ヶ月??守っていきます。