前歯がボロボロに!?
知っておきたい「酸蝕歯」の恐怖
2014.06.02 18:00 WooRis
「炭酸飲料を飲むと歯が溶ける」と、子どものころ親に言われて怖くなった経験がありませんか?
実はこれ、親が子どもに甘い飲み物を飲ませないための方便ではないのです。
炭酸飲料だけではなく、フルーツや野菜等、酸性の食べ物や肉やお米を飲んだり食べたりするだけでも、虫歯とはまた違った仕組みで“歯が溶ける“恐れがあります。
そこで今回は、キリンビバレッジ株式会社のニュースレター『6月4日〜10日は歯と口の健康週間です!あなたの「前歯」は大丈夫?
口内pHコントロールで、健康な歯を保とう〜酸蝕歯リスクが高いのは「前歯」?!〜』を参考に、飲食で“歯が溶ける”仕組みとその対策をまとめてみたいと思います。
■酸性食品で口内環境は酸化し、歯のエナメル質が溶け始める
歯の表面に穴ができる理由は、歯垢(プラーク)の中に生息する細菌の出す酸のせい。
細菌が出す酸により穴ができた状態を一般的に虫歯と呼びますが、実はものを食べたり飲んだりしただけでも3分くらいたつと口の中が酸性に傾いて歯の表面が柔らかくなり、プラークと関係なく歯の表面が溶け始めてしまうのです。
通常であれば、口内環境は唾液によって中和され、食後30分もすると歯にとって危機的な状況は改善されます。
ですが、間食をだらだらと続けていると、常に口の中が酸性に傾いてしまい、歯の健康が脅かされてしまうのです。
また、唾液のほとんどは奥歯の周辺から出ているので、唾液の行き届きにくい前歯周辺は酸性の状態に長く放置されてしまうといいます。
酸性の食品によって最も悪い影響を受ける部位は、前歯なのですね。
■酸性の食品とは?
キリンビバレッジのニュースレターによると、酸性食品には以下のようなものがあるそうです。 ・ りんご、レモン
・ 梅干し
・ 白米 ・ 肉、魚
・ トマト、玉ネギ、ニンジン、大根など多くの野菜
・ ヨーグルト
・ 酸性の飲料水
いかがですか?
よく食べる食材がずらりと並んでいますね。
逆にアルカリ性の食品は、海藻類やホウレンソウ、コンニャクなど数少ないようなので、基本的に食事をすれば口の中は酸性に傾くと考えた方がよさそうですね。
■口内環境を整える方法とは
口の中が酸性に傾く、あるいは傾き続ける状況は歯にとって好ましくないので、きちんと対策していきたいところ。
具体的な対応策としては、
・ 間食をしない
・ 食べ物はよく噛んで唾液の分泌を促す
・ アルカリイオン水などで水分補給をこまめに行う
などの方法が、口内環境を整えるために有効です。
体内の水分が不足すると唾液の量が減る恐れもあります。
特に前歯の周辺は酸性に傾きやすいので、アルカリイオン水を口に含んだら、前歯のあたりを一度くぐらせるくらいの気持ちでいると効果的なのかもしれません。
以上、口内環境が酸性に傾くことのリスクと、その対策をお伝えしましたがいかがでしたでしょうか?
コーラのみならず、ヨーグルトやお米でも“歯が溶ける”きっかけになってしまうとは、意外ですよね。
しっかりとした歯磨きで虫歯を防ぐことはもちろん、口内が酸性に傾かないよう工夫して「酸蝕歯」にも気を付けましょうね。