2014年06月19日

香山リカのココロの万華鏡:彼らのルールは妥当? 

香山リカのココロの万華鏡:
彼らのルールは妥当? 
毎日新聞 2014年06月17日 首都圏版

世界で4億5000万人が使っているといわれる無料通信アプリ「LINE(ライン)」。

大学で二つのクラスで「使ってる人は」と尋ねると、どちらも50人以上の学生の全員が手をあげた。
つまり利用率100%だ。

 最近、このアプリでのやり取りから犯罪に巻き込まれたという事件もあるので「使っていて困る点、危険な点は?」ときいたところほとんどの学生は「特にない」と言う。

それでも食い下がって何人かに話をきくと「知らない人から突然、援助交際の誘いがあった」「グループを作ってやり取りをしている中で誰がメンバーだったか忘れて、そこにいた人の悪口を書いてしまった」など、事件やトラブル寸前のような経験をしている人もいることがわかった。

 では、どういう人が犯罪に巻き込まれ、どういう人がそれをすり抜け安全なコミュニケーションを楽しんでいるのだろう。

 学生たちにさらに話をしてもらうと、危険を回避するために日ごろからかなり警戒していて、完全に誰かがわかる相手から来た連絡以外には「一切こたえない」「すぐにブロックする」という声も多く出た。

「ニックネームで登録している人から突然、LINEのメッセージが来ることがあって、そういうときには失礼がないよう、一応『どなたですか?』と返事しているんだけど」と私が言うと、学生たちからいっせいに「信じられない!」「危険すぎます!」といった声があがった。

「たとえ多少の失礼があっても、フルネームを名乗らずに連絡してくる人は無視してよい」というのが、彼らのルールのようなのだ。

 ものごころついたときからこういったツールを使いこなして友人や家族とコミュニケーションしている若者たちは、ときには大胆にときには慎重に振る舞いながら、便利さと危険回避とのバランスを取ろうとしている。

ただ、大人から見ると、一歩間違えば大切な関係が壊れることもあれば、逆に会ったこともない相手との関係を親密と錯覚してしまうこともありそうだ。

 こういった手軽に誰とでもやり取りできる便利なツールは、これからもどんどん登場するだろう。

それを今さら「やめるべき」と言うつもりはない。
ただ彼らが作り上げた“使い方のルール”が本当に妥当かどうかは、一度、大人も首を突っ込んで検討してみる必要があるのではないか。

「これがなければ生きられない」と無邪気に語る学生たちの顔を見ながら、そんなことを考えた。(精神科医)
posted by 小だぬき at 09:52 | Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私はやってないのだ(*^^*ゞ
Posted by みゆきん at 2014年06月19日 13:27
みゆきんさんはやってないのだ(*^^*ゞ

小だぬきは PC以外 わからないのだ・・・!!
なんてね。 
Posted by 小だぬき at 2014年06月19日 18:00
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