頑張る人こそなりやすい
「鬱病」薬は結構効く、早期受診を
2014.09.04 ZAKZAK
9月10日はWHO(世界保健機関)が制定した「世界自殺予防デー」。
自殺を引き起こす鬱状態をもたらす代表疾患が鬱病だ。
日本人の15人に1人は一生に1度はかかる可能性があるとされる。
つらければ早めに受診しよう。
【見極めが大切】
鬱病は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの働きが低下することで症状が現れると考えられている。
精神神経科「池上クリニック」(神奈川県川崎市)の池上秀明院長が説明する。
「鬱病には、もともと素質を持っている人に起こる内因性鬱病と、環境変化や人間関係、嫌な出来事などが原因になって発症する鬱病があります。
圧倒的に多く増えているのは後者で、誰にでも起こる可能性があります」
しかし、2大内因性精神障害の統合失調症や躁鬱(そううつ)病でも鬱状態の症状が現れる。
治療するにしても、専門医による見極めが大切になるという。
【何となく死にたい】
鬱病は通常、心と体の両方に症状が現れるが、中には体の症状が強く前面に出て、心の症状が目立たない場合(仮面鬱病)もある。
また、気分の落ち込みが朝に重く、夕方になると軽くなるのも鬱病の特徴の1つだ。
では、なぜ鬱病にかかると自殺してしまう恐れがあるのか。
「抑鬱気分が強いと、特に理由はなくとも何となく生きているのが苦痛で死にたいと思う『希死念慮(きしねんりょ)』を抱くようになるのです。
これは未治療の段階で強く出るので、『死にたい』と思ったら早く治療を開始することが重要です」
希死念慮を取り除くには、やはり抗鬱薬が手っ取り早く効果的。
「薬なんか効かない」と思っている人でも結構効くという。
【生き方を見直す機会】
抗鬱薬にはセロトニンやノルアドレナリンの働きを回復させる作用がある。
最近では認知行動療法も並行して行われている。
悲観的になりやすい考えや行動を医師と一緒に修正していくのだ。
「治療では休息が非常に大切になります。
頭の中でどんどん悪い方向に解釈して自分を追い込んでしまうので、せめて会社を休んでいるときぐらいは職場のことは一切考えないようにする。
周囲の支えも必要です。
無理に声をかけたり、運動や旅行に誘うことはむしろ避け、ただ寄り添うだけもいいのです」
一喜一憂せず、焦らずゆっくり治療を続けることが肝心。
急に薬の服用をやめるとぶり返すことが多いので、何カ月もかけて少しずつ薬の量を減らしていく。
「受診したがらない人も多いが、早く受診した方が治りも早く、経済的にも負担が少ない。
一直線でまっしぐらに頑張っている人がなりやすいので、自分の生き方を見直すチャンスと思ってください」
《鬱病の主な症状》
【こころの症状】
・気持ちの落ち込み、憂鬱
・やる気がなくなる
・何をやっても面白くない
・人と会うのがおっくう、外出したくない
・焦りやイラツキ
【からだの症状】
・眠れない
・食欲がなくなる
・不定愁訴(だるい、めまい、疲れやすいなど)
・性欲が落ちる
誰でもある事だったのか・・・。
拗らせないで欲しいと患者の立場から思います。