発信箱:悲しい誤解=二木一夫
毎日新聞 2014年09月18日 大阪朝刊
我慢を強いられてかわいそう。
酷使されるので早死にする。
埼玉県で盲導犬が刺された事件以降、補助犬に対する誤解が広まった。
補助犬使用者の「誤解による風評被害をなくしてほしい」という思いは切実だ。
まず、何をされてもほえないような訓練はしていない。
人間と同様、ほめて育てるのが基本だ。
使用者との信頼関係が強ければ、むやみに声を上げる必要もない。
使用者とボール投げをしたり、ひなたぼっこしたりするのもペットと同じ。
虐げられている存在ではない。
ストレスを感じながら、つらい仕事をするから寿命が短いということも、根拠のない思い込みだ。
8年前、獣医師らが盲導犬447頭を対象に調査したところ平均寿命は12歳11カ月で、ペットをやや上回っている。
障害者の自立と社会参加を目的に身体障害者補助犬法が制定されてから12年たつ。
盲導犬、介助犬、聴導犬は障害者のパートナーと法的に認めたが、当時から酷使、短命と誤解され、何気ない一言であっても使用者は悲しい思いをしてきた。
飲食店や病院が補助犬との同伴を拒む事例は後を絶たない。
無理解は障害者にとって大きな障壁だ。
法に反するのに今でも「ペットはお断り」と拒否されるという。
まして、大切なパートナーが危害を加えられたとなれば、外出を脅威に感じ、周囲の人を疑う気持ちすら生まれかねない。
盲導犬は日本で60年近い歴史がありながら1000頭を超えた程度だ。
介助犬、聴導犬となると合わせて約120頭と少ない。
補助犬と一緒でよかったと実感できる社会になれば、使用者はきっと増えるだろう。(論説委員)
何でわかってくれないのだろう?
単純に動物がきらいなんだよ。
見た目や自分本位の正義の押し付けですからね。
どちらが説得力ある主張かは 多くの人が共有できるものと信じたいです。