医療特例廃止、年金減額…
始まった安倍政権の「老人殺し」
2014年10月18日 日刊ゲンダイ
老人イジメじゃない。もはや“老人殺し”だ。
「すべてを社会保障の財源にする」と消費増税を強いておきながら、安倍政権は社会保障を削り、高齢者にさらなる負担増を押しつけようとしている。
「後期高齢者医療制度の特例措置廃止」と、「年金減額の前倒し」。
いよいよ日本は“姥捨て山”になってきた。
特例措置が廃止されればどうなるかといえば、これまで最大9割軽減されてきた75歳以上の高齢者の医療保険料が3倍にハネ上がる。
例えば年金80万円の独り暮らしの高齢者は、月額370円が1120円に。
夫婦で計160万円の世帯なら、740円が2240円になる。
厚労省は早ければ16年度から特例措置を段階的に廃止する方針で、15日の社会保障審議会の医療保険部会で大筋了承された。
「ちなみに入院給食費の自己負担額も、1食当たり260円が460円に引き上げられます。
1日3食で計600円、月に1万8000円の負担増ですから、消費増税でカツカツの高齢者にとってみれば、まさに“死活問題”でしょう」(厚労省事情通)
■マクロ経済スライドでさらに締め付け
これに追い打ちをかけるのが年金減額の前倒しで、厚労省の「マクロ経済スライド」を強化する案が、これまた15日の社保審年金部会で大筋了承されている。
物価が上昇すれば、年金の給付額も原則上がるが、そこから財政悪化分(14年度の厚労省試算で1.1%)を差し引くのがマクロ経済スライド。
物価が2%上がっても、給付額は0・9%増というものだ。
物価上昇率が0〜1.1%の場合、現行では給付額は据え置きとなっている。
が、今回の厚労省の“強化案”では、物価上昇率が何パーセントだとしても財政悪化分の1・1%を減額する。
0・1%の物価上昇なら、給付額はこれまでの据え置きが、1%減になるのだ。
「要するに、高齢者に財政悪化分をすべてかぶらせ、給付額をカットしようというわけです」(前出の厚労省事情通)
加えて、来年10月からの消費税10%も予定されているから、まさに高齢者に「死ね」と言わんばかりだ。
経済ジャーナリストの荻原博子氏が言う。
「搾れるところから二重取り、三重取りの負担増という、いかにも場当たり的なやり方では、中高年の生活不安は増すばかりです。
金融資産の6割を持っている高齢者の消費マインドも、ますます冷え込んでいく。
年金受給者の暮らしはもちろんですが、日本経済全体にとっても大きなマイナスでしょう」
大企業優遇の安倍政権は、国民生活の足を引っ張ることしか能がない。
次の選挙で 有権者に「遊び心」で 共産・社民に票を投じて欲しいと思います。