ネットで繋がるのが
自分と同類ばかりになるタコ壺化現象とは
2014.12.17 16:00 NEWSホストセブン
インターネットの登場以降、多種多様な人々と交流できるようになったと言われる。
しかし、本当にそうだろうか?
実はネットでつながるのは、自分と同じような嗜好を持った人や、同種の職業にいる人ばかりになるという「タコ壺化現象」が進んでいるのだという。
新刊『縁の切り方〜絆と孤独を考える〜』(小学館新書)を上梓したばかりのネットニュース編集者・中川淳一郎氏が解説する。
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インターネットがあるお陰で多種多様な人々と交流できる、という定説は誤りだ。
結局、自らフォローする相手を選べ、検索で自分の心地良いものばかり探すことが可能なネットは、同じような考えを持つ人との接点を結局は作るもの。
所詮「多種多様な人々の交流で新しい価値観が生まれる」なんてものはあり得ない。
私は以前、ツイッターで気になる発言をしている人々をリスト化し「ツイッター七福神」(7人)と「ツイッター身も蓋も無さズ」(8人)と名付けた。
両方合わせて15人だったのだが、ツイッター上で気が合ったため実際にオフ会をすることに。
すると、見事なまでに自分と同様に、メディア・広告関係者だらけだったのだ。
ツイッターの場合であれば、自分にとってウザい人間はブロックしてしまえばいい。
かくして均質な意見ばかりを見るようになる。
よく「私のタイムラインでは◯◯の話題ばかりだ」みたいな話が出る。
タイムラインとは、自分がツイッターでフォローしている人のツイートが流れてくる画面のことをいう。
フォローする人は自ら選べるため、いわば、「私のタイムライン」は自分にとって有益であったり、心地良いツイートをする人々の集合体ということだ。
たとえば、「ハフィントンポスト」という米発のニュースサイトが2013年5月7日に上陸した時のこと。
このサイトは以前よりIT関係者から注目されており、日本版登場の日を固唾を呑んで見守っている人々が多かった。
日本の低俗なニュースサイトばかりが幅を利かせる中、インターネットの本場・アメリカ発で世界各国版も存在する巨大サイトであり、次世代ジャーナリズムの旗手とされているサイトだからだ。
ただし、注目されているとはいっても、あくまでもIT・メディア・広告関係者中心である。
確かに、私が普段使っているツイッターIDの一つ(フォロワーはIT・メディア・広告関係者中心)のタイムラインはハフィントンポストの話題だらけだった。
7日の0時、ついにサイトがオープンした時はまさにハフィントンポスト一色だった。
しかし、私が観察用に使っている別のIDでは一切ハフィントンポストの話題はなかった。
一つは、「岡山県のアパレル店に勤務する26歳フリーター」という設定でやっているIDである。
フォローしている人は、「ツイッタードラマ」(ツイッターを通じて男女が出会う群像劇)として2010年にオンエアされた『素直になれなくて』(フジテレビ系)というドラマを観てツイッターを開始した人々だ。恐らくはドラマ好きで素直な若い人が中心で、女性の方が割合は多いだろう。
もう一つ、「騎乗位」という言葉で検索したところひっかかったエロい人々をフォローしているIDもあるが、こうしたIT・メディア・広告関係者以外の人々でハフィントンポストについて言及する人は皆無だった。
こういったところにネットの中での断絶やタコ壺化現象を見ることができるのである。
原理として、インターネットは誰にでも話しかけることは可能だ。
だが、実際に話しかけたり、その後もやり取りを続けるのは、同じような趣味嗜好を持ち、同じような仕事をしている人に結局は帰結する。
※中川淳一郎・著/『縁の切り方〜絆と孤独を考える〜』より

