発信箱:STAP後遺症=青野由利
毎日新聞 2015年01月16日 東京朝刊
自分のコラムに見出しをつけながら、なんだか見覚えがある気がした。
もしかすると、誰かの文章に影響されたのだろうか。
そんなことが気になるのも、昨年来の研究不正騒動のために違いない。
「STAP問題の影響で、審査する博士論文をすべて盗用チェックソフトにかけなくてはならなくなった」。
研究者と話すと、そんなぼやきが聞こえてくる。
昨夏、文部科学省が「不正防止ガイドライン」を出したのが一因で、ソフト販売会社に聞くと、確かに導入する大学や研究機関が急増しているらしい。
「ソフトにかけるのはいいけど、既存の論文と何%一致していたら盗作とみなすの?」といった判断基準の悩みも耳にする。
こうした騒動も、これまで論文のコピペを軽視していたり、学位論文の審査がいいかげんだったりしたのなら、それを正すよいきっかけかもしれない。
一方で、忙しい研究者の時間や資金を不正チェックに投じるより、もっと生産的なことに使えないのかという疑問もわいてくる。
「捏造(ねつぞう)、改ざん、盗用」を重大な違反と考えるだけでは不十分。
大事なのは研究者としての「責任ある行動」で、その基礎は自然の謎を解き明かす喜びと社会貢献。
昨年末のSTAP論文最終調査報告の指摘はもっともで、科学の本質に立ち返るには盗用チェックソフト以上のものが必要だと感じる。
気になった見出しは、調べてみると、以前、自分で別のコラムにつけた見出しにそっくりだった。
そういえば、「過去の自分の論文と序論の文章が20%似ているといわれ、書き直したことがある」という研究者もいた。
笑えそうで笑えない話である。(専門編集委員)
私は 卒業論文なしで「法学士」ですから・・・。
要は 学習したことをどう生かすかの問題ですよね。
小保方さんが問題にされたのは、再生医療と難病に苦しむ人を結果的に裏切る研究論文だった点ですね。
教育の世界でも 毎年のように委嘱研究がなされていますが、データーベース化していないために 共有財産になっていない・・・。
要は 研究や研修が 一歩前進するようなものが 量産されること自体 ??がついていいと思うのです。
基礎研究なんていうのは、遠い目標と仮説のもとに日々積み重ねられるもので 成果がすぐでるようなものは、研究に馴染まないものですよね。偶然の発見を否定するものではありませんが・・・。