イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
医療も「言論の自由」が大事
2015年1月16日 読売新聞
最近の僕的に大きなニュースは、フランスの政治週刊紙「シャルリー・エブド」のパリ本社が銃撃され、12人が殺害された事件です。
逃亡した容疑者が籠城し、射殺されました。
そして、その銃撃テロ事件の犠牲者を追悼する大行進に370万人が参加したとフランス内務省は発表しました。
襲撃された週刊紙は、ある人たちにとっては行き過ぎとも言える表現があったのかも知れません。
しかし、言論の自由は正しい判断をするためにとても大切なものです。
いろいろな意見があることが正しい判断の源と常々思っていますので、「自分たちの意にそぐわないことを言っているから、そんなとんでもない報道をするやつらは襲撃しよう」という発想には断固反対です。
医療情報は玉石混交
医療の分野でも、たくさんの意見が出た方がいいのです。
本屋さんの医療コーナーを眺めれば、また医療の記事をネットサーフィンすれば、いろいろな意見を主張する本やHPがあります。
両極端の意見も珍しくありません。
長生きするためには医者に行かない方がいいといった論調から、どんどん医者には行くべきだといったものなどわかりやすい両極端の意見です。
そんないろいろな意見があることが楽しいではないですか。
玉石混交です。
どれが正しいかもわかりません。
明らかに正しいこと、明らかに間違っていることを本にすることはまず無理でしょうから、書籍になっている段階で、ある程度はそれなりの論拠があると思っています。
ではなぜ、そんなにたくさんの意見が、特に医療の分野にはあるのでしょう。
それは、人はいろいろだからですね。
全員に当てはまらないことは間違っているのでしょう。
でも将来は当てはまると敢あえて言うこともできます。
少なくとも今までに何人かに当てはまっていれば、その意見を葬り去ることは無理です。
人はいろいろということは、各個人に対する医療もいろいろと考える方が腑ふに落ちます。
でもそこまでオーダーメイド化するためのサイエンスは進歩していないのです。
ですから、多くの人にとって有益であろうと思われることを精一杯やっているのが医療です。
そんな目線でいろいろな情報に接することが大切ですね。
信頼できる医師を持とう
もしもどの医療情報が正しいか解わからないときは、信頼できる医師に相談しましょう。
つまり常日頃から、かかりつけの信頼できる医師を持っておくことが大切です。
信頼できるというのは、「その先生の言うことであれば、もしも間違っていても、もしも自分に当てはまらなくても致し方ない」と思える医師のことです。
僕たち医療関係者も、その人にその医療がどれほど大切かはなかなか解らないのです。
精一杯現在までの情報でいいと思っていることをやっているのです。
だからこそ、僕たち医療サイドも、いろいろな情報の存在を知りたいのです。
そんな玉石混交の情報から、よりよいと思われることを取捨選択するのが、医療のプロの仕事と思っています。
大きなニュースの陰で、先日医療にとって大切な決定がなされました。
来年度の予算で財務大臣と厚生労働大臣の大臣折衝が行われ「介護報酬」を2015年度から2.27%引き下げる方針となりました。
高齢化社会がどんどんと進行する中で介護の問題を国民全体が考えることはとても大切なことなのです。
僕的には介護報酬は増額が何よりも必要で、減額などはもっての他と思っています。
しかし、介護職員の給与は月1万2000円程度上がるとも報道されています。
そうであれば、労働の割に低賃金と言われている介護職員には朗報です。
「介護報酬」がどのように運用されるのかも、しっかりと見守っていきたいと思っています。
社会保障は国としての大切な問題です。
大切な税金の使い道です。
社会保障に対するいろいろな意見も本やネットでたくさん発言されればいいのです。
極端な意見があってもいいのです。
それが発言できる世の中が、まず大切なのです。
言論の自由はどんなことがあっても守りたいと思う今日この頃でした。
人それぞれが、少しでも幸せになれますように。
何でも相談できるドクター
信頼してたのに、ヤブだった医者がいて、死にかけました←8年前(◎-◎)
幼いころ 小だぬき家の主治医をしてくれていた医者は夜間急患でも家に往診してくれて信頼していたのですが、人によっては藪医者との評もありました。
知識と技術を持っていて 人間的にも信頼できるというのが理想ですが・・・。