2015年01月19日

契約急がせるのは常套手段 あせらず冷静に、専門家にも相談

連載:本当は教えたくないマンション業界の秘密
契約急がせるのは常套手段 
あせらず冷静に、専門家にも相談
2015.01.18 zakzak 榊淳司

 私はマンション購入に関する相談を有料と無料で行っている。
無料相談はメール。
私のブログからメール形式で寄せられる相談に1回だけ無料でお答えしている。
 有料の場合は事務所においでいただいて面談する。
1時間1万800円だが、まぁ2時間くらいが平均。
追加料金はなく、ご納得いただけるまでお付き合いする。

 いつも思うことは、一般消費者とマンション販売業者の情報非対称性だ。
購入についての基本的な知識がなさすぎる一般消費者と、海千山千の販売業者が、モデルルームという販売側のホームグラウンドで戦っているのだ。
どちらが有利かは自明だろう。

 最近あった相談の事例を紹介する。相談者は40代前半の男性。
奥さんと小さなお子さん2人。
1億円弱の新築マンションを検討していた。

 ところが、自己資金は約600万円。
年収は2000万円未満。
残りを変動0・77%の35年ローンで借りると、月々の返済は25万円弱。
確かに払える。

 しかし、払い終わるのは70代後半。定年後はどうするのですか、とお聞きしたら「どこかで売却を…」という想定。

 明らかに無理がある。
どこかで破綻するのが目に見えている。
しかも検討物件はバブル価格。
駅からも近くない。
10年後には半値に落ちていることが確実視される。

 話を詳しく聞くと、2カ月前には担当営業から頭金は1割が絶対必要と言われていた。
約1000万円だ。
でも、彼は600万円しか用意できない。
それが昨年末に「600万円でも今なら大丈夫です」と豹変。
ただし、「××日までに振り込んでください」と短い期間を切られた。

 そのマンションの竣工は1年半も先。
なぜそんなに急ぐのか。
 契約を急ぐのは不動産営業の常套(じょうとう)手段。
冷静に考える時間を与えると、客が迷いだして買わないケースが多いからだ。

「××日に決めてもらわないと社内の稟議がおりません」
「他に検討しているお客さまが何人もいらっしゃいます」というのがお決まりのトークだ。

 別の相談者は、購入してしまったマンションをすぐに売りたいと考えた。
そのマンションの販売担当者に相談すると「すぐに売りなさい。でないと価格が下がります」。別の仲介業者に聞くと「2〜3カ月住んでからでも、売却価格は変わりませんよ」。

迷って私のところにやってきた。

 これには少し笑えた。販売担当者は、すぐに売ってもらえると自社が仲介することになるから売りと買いの両方から手数料が得られる。

 別の仲介業者は、販売担当者の目論見が見えていたから、「一度住んでから」と勧める。
一度住んでから売るとなると今度は自社で仲介できる可能性が高い。
すると買い側の手数料も得られる可能性が出てくる。
つまり、どちらも単に自分に都合のよい動きを勧めているだけなのだ。

 一般の方が不動産取引で業者と対等に渡り合うのは並大抵ではない。
まず、冷静になること。
時間をかけること。
必要なら専門家に相談することである。  

■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト
www.sakakiatsushi.com

posted by 小だぬき at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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