2015年01月21日

復興担う公務員にエール 

香山リカのココロの万華鏡:
復興担う公務員にエール 
毎日新聞 2015年01月20日 首都圏版

 東日本大震災の発生から4年がたとうとしている。
東北の放送局から「自治体職員のストレスについて番組を作るので」と出演依頼があった。
私が被災地自治体職員の心のケア活動を行っていることを知り、その経験を話してほしいということだった。

喜んで応じたが、現地の記者が取材したビデオで、ある自治体で職員の心の健康チェックを行ったところ、15%が「うつ病」に相当した、という調査結果を知り衝撃を受けた。

それでも多くの職員は、「なんとか復興を」といまも必死にがんばっている。

 阪神淡路大震災からは20年がたった。
住民と行政とがぶつかり合いながら進められた神戸の復興の記録をテレビで見た。

当時、都市再生の中心となった元職員が登場し、「住民のための復興だっただろうか」とややつらそうな顔で振り返っていた。
定年になり退職した現在も責任を感じているようだった。

 もちろん、誰もが同じように勤勉というわけではない。
しかし、東日本大震災の被災地で私が出会った行政の人たちはすべて、「自分より住民や地域のために」と身を粉にして働き続けていた。

 「真面目で責任感が強い」というのは仕事の上では欠かせないことだが、すぐに「働きすぎ」につながる。

また、いつまでも「こうしたほうがよかったのではないか」と考え込んだり、「私のせいでは」と自分を責めることにもなりかねない。

それらがさらに進むとうつ病になってしまう場合もある。

 では、真面目な人はどうすればうつ病にならずにすむのだろう。
まずは、がんばり時間と思いきりくつろぐ時間、つまり「オンとオフ」をはっきり分けることだ。

夜は、できなかったことや失敗ではなく、できたことやほめられたことを思い出しながら眠りにつく。
そして、自分に「よくやってるよ」とそっと声をかけ、できれば周囲の同僚たちとも互いに「おつかれさま」「がんばったね」とねぎらい合う。

 最近は何かあるとすぐに「悪いのはあの人のせい」と責任逃れをする人が増えているとも言われるが、まだまだ「私のがんばりが足りなかったのです」と自分を責める人も少なくない。

反省のしすぎから「私はダメだ」と自信を喪失することなく、「気持ちを切り替えて次に行こう」と前向きな気持ちになってもらいたい。
もちろん、被災地で復興のために尽力する人たちにも「がんばり続けている自分に自信と誇りを持ってくださいね」と伝えたい。(精神科医)
posted by 小だぬき at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ストレスから“うつ”に
気づいた時は身体が悲鳴をあげてる
うつの人が多いってビックリしました
私の知ってる人も“うつ”だと診断されました
やっぱり東日本大震災を経験した公務員です。
人事じゃないです。
Posted by みゆきん at 2015年01月21日 18:12
「うつ症状」と診断された時には 相当な疲労が溜まっています。
地域の公務員は、自分も被災者なのに復興作業が地方自治体に丸投げされて疲労困憊というところでしょう。
私ももう8年になりますが 精神的なダメージが強くなかなか寛解状態になりません。
憂慮されるのが「既死念慮」です。末永くサポートをしていかなくては 「自殺」多発になりかねません。
被災地と霞が関・永田町を交換でもしない限り 政治家には期待が持てないのは残念です。
Posted by 小だぬき at 2015年01月21日 19:43
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