2015年02月11日

みなで支え合い心守ろう 

香山リカのココロの万華鏡:
みなで支え合い心守ろう 
毎日新聞 2015年02月10日 首都圏版

 「イスラム国」の日本人人質事件に続き、和歌山県で小学5年の男子児童が殺害されるといういたましい事件が起きた。

診察室でも「子どもを衝撃的なニュースからどう守ったらよいのでしょう」と質問後、「私自身もかなりまいってます」と告白した人がいた。

 地域での事件、世界での大きな悪いできごとが起きたときには、おとなはまず「だいじょうぶ、必ず守ってあげるから」と伝えることが大切だ。
その上でなるべくいつも通りの生活を続けながら、子どもが不安や恐怖を口にしたら話をそらさず聞いてあげる。

とくに答えは出さなくても、「そう思ったんだね」とゆるやかに肯定しながら聞けば、子どもは次第に自分で気持ちを整理していくことができるものだ。

 では、そうするためおとなはどうやって自分の心を守ればよいのか。
まず必要なのは、支えてくれる“誰か”の存在だ。
配偶者がベストだが、友人あるいは親やきょうだいという場合もあるだろう。

 運悪く「誰も自分を支えてくれる人はいない」という人もいる。
そのときは、学校の先生、カウンセラーなどの専門家にも話を聴いてもらい、アドバイスを受ける。
そして何より、無理をしすぎないことが大切だ。

「私ひとりで子どもを守る」「子どもの前では笑顔で元気にしなきゃ」と肩に力が入りすぎると心身に不調が出てしまう。

「世の中物騒なことばかりだけど、とにかくこの時間は好きなドラマを見ましょう」とリラックスできる時間を忘れない。

あまり目の前の心配ごとにばかりとらわれず、子どもといっしょにからだを動かし、汗をかいて心地よい疲労感を味わうこともよいだろう。

 もちろん、運動やリラックスで一時的に不安から逃れても、夜になるとあれこれ思い出し、「また恐ろしいできごとが起きるのでは」と心配になるかもしれない。
そういうときはあまりあせらず、「不安になるのはあたりまえだ」と自分に言い聞かせてみてはどうだろう。

 最近、診察室で動揺を隠せない人たちには、こんなことを伝えている。
「お恥ずかしい話ですが、私もです。
ニュースを見ていると気が滅入(めい)りますよね」。
精神科医が心の弱さを見せるのはふだんはタブーだが、今回ばかりは多くの人はほっとした顔をしてくれる。

「なんだ、先生も同じなんですね」。
そう、「この社会、どうなっちゃったの?」と不安なのはみな同じ。
お互い支え合い、無理せずに日々を送りたい。
          (精神科医)
posted by 小だぬき at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
毎日毎日、殺人事件
もう嫌になっちゃう!!
Posted by みゆきん at 2015年02月11日 15:01
残忍・陰湿な事件が多いですね。
人間がだんだん壊れ始めているのかな・・
Posted by 小だぬき at 2015年02月11日 16:48
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