夏風邪に一番効果的なのは
市販薬?処方薬?それとも……
ダイヤモンド・オンライン 2015/7/23 14:00 岡田正彦
日本各地で続々と梅雨明け宣言が出されています。
これで本格的な夏到来! ということでしょうが、この時期から活動し始めるのが、「夏風邪」のウィルスです。
しかしこの夏風邪、なかなか治らない原因が、私たちが普段当たり前に飲んでるアレだとしたら……。
● 総合感冒薬の無意味 を知っていますか?
「鼻水が出る、咳が止まらい、悪寒がする……、これは風邪かな? 」
そう感じたときに、普段私たちがとりがちな行動が、「クスリを飲む」ということではないでしょうか。
ドラッグストアで買える風邪薬(総合感冒薬)には、さまざまな成分が含まれています。
以下は、ある売れ筋の風邪薬の場合です。
・トラネキサム酸(炎症を抑える。病院で使われるトランサミンと同じ)
・イブプロフェン(熱を下げ、痛みを取る)
・クレマスチンフマル酸(アレルギーを抑える。眠気を催す)
・ブロムヘキシン塩酸塩(痰のきれをよくする)
・dl‐メチルエフェドリン塩酸塩(自律神経に作用して咳を抑える)
・ジヒドロコデインリン酸塩(脳に作用して咳を抑える)
・チアミン硝化物(ビタミンの1つで、口の中の炎症を抑える)
・リボフラビン(口腔内の粘膜の荒れを修復する) ほかの商品もほぼ成分は同じです。
なぜ、これほど多くの成分が配合されているのかといえば、風邪の症状がそれだけ多彩だからです。
発熱、鼻水、のどの痛み、咳、痰などは、風邪の際に誰でも経験したことがあるでしょう。 しかし、これらの症状はすべて私たちの体に防御機能が備わっているからこそ生じるものです。
風邪の原因となるウイルスは熱に弱く、体は発熱することによってウイルスを撃退します。
鼻水、咳、痰などの症状は、ウイルス感染で傷んだ細胞の残骸などを体外に排出するための大切な機能です。
そうです、すでにお気づきのように、風邪薬は、病気から回復するための防御機能をすべて抑え込んでしまっているのです。
実際、外国での調査によれば、風邪をひいたあとクスリを飲んだ人たちのほうが、飲まなかった人より回復が遅れることがわかっています。
風邪を早く治す秘訣は、昔から言われているように、
「栄養を取ること」
「体を休めること」
「水分を十分に取ること」に尽きるのです。
● ビニール袋いっぱいのクスリ。 果たしてその効能は?
では、病院のクスリはどうでしょうか。
病院で処方される風邪薬は、市販品と異なり、1つのクスリに1つの作用しかありません。
そのため病院では、総合感冒薬に含まれる成分と同じ数だけクスリが処方されることになります。
加えて病院では、抗生物質がいっしょに処方されることがしばしばです。
このクスリは細菌を殺す強い作用を持っていますが、すでに述べたように風邪はウイルスで起こるものですから、細菌にしか効かないクスリでは意味がありません。
それにもかかわらず医師が処方するのは、細菌感染による肺炎を考えてのことです。
ただし風邪にかかった人が肺炎になる割合はきわめて低く、しかも実際に起こっているかどうかは胸のレントゲン撮影やCT検査を行わなければわかりません。
これらの検査を行わずに、簡単な診察だけで抗生物質が処方されたとすれば、それは、あとで患者さんに訴えられたりしないようにするためです。
結果的に、病院から帰るときには、ビニール袋いっぱいのクスリを抱えていることになります。
単なる風邪にもかかわらず、大量のクスリを処方するような医師は、ほかの病気でも同じことをしているのではないでしょうか。
私はたとえ風邪をひいても市販薬、処方薬ともにクスリは一切飲みません。
栄養と水分を十分に摂り、ゆっくり体を休めることにしています。
結果的にそのほうが、長期間グズグズと風邪を長引かせることもないので、仕事への影響も最小限にとどめることができるのです。
(本連載は、『「先生が患者ならどうします? 」医師が自分のために選ぶクスリ・治療法』に、一部加筆したものです)


私は 鼻水でティシュがわりにトイレットペーパーを使用中。
健康に注意しましょうね。