体罰自慢の義家弘介文科副大臣が
“組体操”を「事故が起きても規制するな」!
理由は「うるうるきたから」
2016.01.31.LITERRA(水井多賀子)
口利きの実態が明らかになったにもかかわらず、謝罪もなく辞任で幕が引かれた甘利経済再生担当大臣の現金授受問題。
そんななか、またも安倍内閣の本質が露わになる発言が閣僚から飛び出した。
「組み体操はかけがえのない教育活動で、悪いことではない。それを文科省が規制するのは違う」
これは1月29日付けの東京新聞が行った義家弘介文科副大臣への取材での発言だ。
組体操による事故は近年増加しており、2013年には8000件以上の事故が発生。
昨年も大阪府八尾市の中学校で6人の重軽傷者を出し、千葉県松戸市では小学6年の男児が開頭手術を受けるほどの事故が起こっている。
しかし、義家副大臣はこのように組体操を“肯定”したのだ。
「危ないのは組み体操だけではない。
何件だから危ない、と線引きすることには慎重な対応が必要」
「事故が起こって問題になったからと上から目線でずばっと何段と切るのは、指導上は不幸なこと」
「事故が起きているのは組み体操だけでない。
柔道、剣道などあらゆるところに規制を出さなければいけなくなり不健全」
死亡にもつながりかねないと危険性が指摘されているのに、「組体操は悪くない」の一点張り。
どうしてこのような考えになるのか、見識を疑わざるを得ないが、実際、義家副大臣は記者から千葉県松戸市の小学校の事故について問われると、「初めて聞いた」と言っている。
つまり、事故の実態を把握もしないで組体操を擁護しているのだ。
しかも義家副大臣は、組体操をこう称賛する。
「(組体操は)自分も小中学校で行ったし、小六の息子も去年やった。
五〜六段の組み体操で、息子は負荷がかかる位置にいて背中の筋を壊したが、誇らしげだった。全校生徒が羨望のまなざしで見る中で、「ここまで大きくなった、見事だ」と私自身がうるうるきた」
「仲のいい子、体力がある子同士で組み、余った生徒たちがペアを組まされることがあり得る。最上段にはバランス感覚がいい人間が上がらないといけない」
組体操は人間の連帯であり、感動を生む。
だから学校教育の場では実践されるべき種目だ──。
義家副大臣はそう胸を張るのだが、この認識こそが組体操の事故を増加させている要因そのものだ。
組体操事故の実例と背後にある問題を追及している教育学者・内田良氏の著書『教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リスク」』(光文社新書)によれば、組体操は現在、幼稚園から高校までで行われ、年々、巨大・高層化しているという。
しかし、じつは組体操は〈文部科学省の学習指導要領には記載がない〉。
同じように事故のケースが多い跳箱運動やバスケットボールは小学校の学習指導要領に明記されているが、〈組体操だけが学校で教えられるべき事項として位置づけられていない〉のだ。
組体操は、戦後まもなくの時期には〈小中高すべての学習指導要領に記載があ〉ったが、死亡や重度障害の事例が後を絶たず、訴訟に発展することもあり、〈おそらく組体操の文化は少しずつ、衰退していったものと推測される〉という。
それが2000年代に入ってから組体操は“復活”した。
〈組体操において、子どもたちは痛みや恐怖を感じる。
だが、それは他者のためであり、そのようにして皆で相互に耐えることで1つのものをつくりあげていくという教育的物語が、そこにある〉
内田氏によれば、組体操を支持する教員たちは「感動」「一体感」「達成感」を口にする、という。義家文科副大臣とまったく同じ理由で組体操を肯定しているのである。 「感動」「一体感」と引き換えに子どもたちがリスクに晒される。……まるで異常としか思えないが、これは義家副大臣にとっては何の違和感もないのだろう。
というのも、義家副大臣は“親分”である馳浩文科相と一緒に教師時代の「体罰」を堂々と公言、自慢げにこう語っているからだ。
「いじめの指導で放課後四時間教室から(生徒を)出さなかった時は他の教職員がハラハラしながら私の教室の外で見守っていて後で散々言われました。
(中略)口で『いじめはダメですよ』と説くのは誰でもできる。
でもこれはそんな次元で済ましてはダメで態度で示す以外ない。
教室の用具はボコボコになり、最後は加害生徒が泣いて詫びながら二度といじめないことを誓ったので終わりにしましたけど、これは仲間内の教職員から散々に言われました」(産経新聞社「正論」08年6月号対談記事より)
昨年、本サイトがこの記事を発掘、問題視する記事を掲載した際には、馳文科相は記者会見で事実を認めた上で釈明。
だが義家副大臣の“体罰自慢”はスルーされたまま。
つけくわえると、こちらも既報の通り、義家副大臣は過去に生徒を監禁し暴力を振るう教師をヒーロー仕立てに描いた小説まで文芸誌に発表している。
しかも、驚くべきは体罰自慢だけではない。
義家副大臣はやはり過去に
「まず第一に、善悪に関する明確な線引きが必要です。
(中略)では、誰が共通の線引きをするのかといえば、私は今こそ国がやるべきだと思っています」(文藝春秋「諸君!」07年3月号)と宣言。
国による思想統制が行われるべきだと隠すこともなく語っているのだ。
明確な危険があるのに「感動するから」という理由だけで文科副大臣が組体操を是認する。
それは、義家副大臣は子どもは痛めつけてでも言うことを聞かせなくてはならない存在として捉え、思想さえコントロールするべきだと考えているからこそ導かれる回答だ。
ようするに義家副大臣は、過去の体罰自慢や思想統制という軍国主義教育的発言を反省するどころか、いまも考えをまったく変えていないということだろう。
ちなみに義家副大臣は、すでに詳しく本サイトで伝えているように、“安倍チルドレン”にふさわしく、戦前・戦中体制の称揚、マイノリティ差別への加担、日本軍による戦争犯罪の否認など極右思想をことあるごとに開陳。
その思想は安倍首相と同じくするものだ。
そして、組体操問題のキーワードである「感動」も、安倍政権による教育の合い言葉である。
事実、第一次安倍内閣が発足させた教育再生会議(現・教育再生実行会議)では、〈感動を与える教科書を作る〉(07年報告書)などと述べられている。
今回の義家副大臣による組体操肯定は、今後、きちんと追及を受けるべき発言だ。
しかし問題の本質は、義家氏だけではなく安倍政権の思想にあるということを忘れてはいけないだろう。
(水井多賀子)
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教員時代、初任から「組合員」だったのですが、文科省の指示・命令、施策の「学校破壊」「多忙化政策」に抵抗するのがやっとでした。
お体に気をつけて 日々の忙しさにご奮闘を祈ります。
たしかに小学校やら中学校で運動会での組体操がある
私の時代も練習中に、組体操が崩れて、一番下の子が怪我をしたっけ
もっとあるかもね
強制するべきじゃないわ
こんばんは‼で茣蓙居ます。
記事とは関係ありません。
曇天模樣の北總です。
平成二十八年如月一日(第一月曜日・佛滅)であります。
睦月が行ってしまいました。
早いですなぁ、もう二月(如月)なんですよね。
はい、閏年の今年は如月が二十九日まであります。
其の一日を有意義に過ごしましょう。
私が6年生担任の時は、民舞「御神楽」に挑戦して組体操は止めました。一部から「組体操でなく なぜ御神楽か」と批判がありましたが、多くは 御神楽っていいものですね。と好評でした。
今日から2月、現職の時は うるう年は、普段より労働日が1日増えたとの感覚でした。昔の人の時差の修正の工夫は見事ですね。
いつもありがとうございます
2月ですね
1月は姫の事があり
すごく長く感じました
2月もよろしくお願いします
2月は 1年で一番寒い月です。
トモさんも姫も 元気な月にしてくださいね。